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2007年10月20日
秋草
                秋草

                      野の宮乃秋の千草の花車 我も昔に廻り来にけり
             Au temple de la Lande sur mon char fleuri des mille herbes de l’automne
                  Moi-même du temps jadis je suis venue me ressouvenir


すでに能の花Vol.3の作品紹介で掲載した野宮の作品今回は装飾頭文字を少々拡大して秋草のお話を。

秋草

この作品の書体にはゴティック体を使用したので、頭文字に金箔を置き装飾に秋草をあしらってあります。萩、尾花、女郎花と桔梗と七種類すべては描ききれなかったのですが、装束などの秋草文様を参考にデザインしました。

さて、この秋の七草といわれているものは、万葉集にある山上憶良が詠んだ歌

    秋の野に咲きたる花を指折り かき数ふれば七種の花
    萩が花 尾花 葛花 撫子の花 女郎花 また藤袴 朝貌の花


からきています。この歌に詠まれている「朝貌(あさがお)の花」は、諸説ありましたが、今は桔梗に落ち着いています。私たちが朝顔と云っている花は平安時代以降に日本に渡り、山上憶良の時代にはまだ存在していません。その後も歌や文様では混同されていることが多かったようです。


帰国中に鎌倉能舞台にお邪魔した帰りに、近くの長谷観音に立ち寄ったら、こんな綺麗な桔梗がたくさん咲いていました。まだまだ暑い時期でしたが、旧暦ではすでに秋。

                  
               秋草

投稿日 2007年10月21日 0:01:50
最終更新日 2007年10月21日 0:01:50
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