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2015年12月12日
シャコバサボテン
カテゴリ : [三余堂月次]
師走になってやっと黄葉した銀杏の葉を温かい風が吹き飛ばす。
真夏日にならんとする気温を暮れになって経験するとは、いやはや…
湿った暖かい風が南から吹き込んで、紅い葉や黄色い葉が庭一杯になった。
レースカーテン越しの陽で神経質に管理していたシクラメンの鉢は 
最近すっかり庭に出され、鮮やかな落ち葉に埋まりながら蕾をのぞかせている。


同様にすっかり四季を通して屋外の鉢物になったのが、シャコバサボテン。
一時は、どの家でも見事な花を付けて冬の窓辺を飾っていた。
シャコバサボテンはブラジル原産の多肉植物。
丁度、今頃開花するサボテンの一種で、1800年代半ばにブラジルで野生種から作られた。
日本では明治時代から栽培されていたそうで、人工的な園芸種である。
丈は20〜50cmにもなる。開花期は11月ごろから翌年の寒いうちだ。
よく似たものにカニバサボテンというものがある。これは葉のような、茎のような
茎節の縁が丸く、突起のあるシャコバとの見分けは容易につく。
花は似たようなもので、それらを交配させて、多くの品種が誕生したという。
シャコバサボテンの名の由来は葉の形が海にいるシャコに似ているからだそうだ。
茎の節ごとに一対の突起があって、これがシャコを彷彿とさせるというが はてさて如何に。
命名された頃はシャコに馴染があったのだろう。寿司ネタには必ず登場していた。

この鉢花、いつの間にか、クリスマスカクタスと呼んでいることに気づく。
クリスマスの時期に咲く花の名はこの方がふさわしい。が、デンマークカクタスとも
表示されている。近年はデンマークで改良された品種が普及したことによるらしい。
クリスマスでもデンマークでも、カクタスというのはサボテンという意味だそうで、
健気に暑さ寒さを庭で耐える鉢はたくましい限り。弛みない品種改良の賜物だろうか。
5℃以上あれば越冬は出来るというから、昨今の温暖化は年間を通して庭での生活を
快適にしているのだ。複雑な気分である。



シャコバサボテン



元々が人工種だからだろうか、環境の変化に弱い性質があった。
一度置き場所を決めたらなるべく移動させないようにと気遣い、室内の明るい窓辺、
しかもレースのカーテン越しの光を当て、夏は日陰で管理し、水やりを控え、
液肥で管理し… 誠に繊細な管理であった。
今やシクラメンも庭で毎年咲き続け、多分シャコバの名で売られたであろう鉢植えは
三十年以上の仲間となって玄関先を彩っている次第だ。








投稿日 2015年12月12日 8:35:37
最終更新日 2015年12月12日 8:35:37
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