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2014年06月01日
泰山木
カテゴリ : [案内望遠鏡]
木蓮の仲間にタイサンボクというのがある。
明治6年 (1873)に渡来したとされ、明治12年に来日したアメリカのグラント夫妻によって、
上野公園に記念植樹されて有名になったという
第18代アメリカ合衆国大統領 グラント将軍は、大統領を二期務めた後に世界を周り、
その際、日本にも立ち寄って植樹となったそうである。
将軍がローソンヒノキ、夫人がタイサンボクを植えた由。
上野東照宮の参道入口脇という一等地に植えられたが、ヒノキは兎も角、
タイサンボクは元気だとのこと。但し、夫人植樹のは変種の細葉泰山木だったという。
50年もたった昭和4年に、渋沢栄一 と 益田 孝 が立派な記念碑を建てているというから
博物館に行った折にでも確認してこようと思う。

北アメリカ南部に分布する常緑樹 タイサンボクは自生地のミシシッピ州と
ルイジアナ州では州の花なのだそうな。    何しろ大きくなる。 
樹高は20mにはなるだろうか、枝を広げた姿は誠に雄大だが、ややもすると邪魔。
将軍お手植え当時は この木、渡来したばかりで現在の名はまだ付いておらず、
ハクモクレンの中国名「玉蘭」に グラントを付けて「グラントギョクラン」としたそうだ。
てなことが、記念碑には書いてあるのだろう。 ちなみにタイサンボクの中国名は「洋玉蘭」。

二階家の屋根を遥かにしのぐ 泰山木

濃緑色で光沢のある長楕円の葉は、20cmはある。葉裏は褐色の毛が密生してビロードのようだ。
今頃咲く花は これまた大きくて輝くような白さを見せる。直径は葉の丈はあるだろう。
丸い玉のような大きな蕾は 一瞬にして力強く開くのだろうか。
それとも 陽の光を浴びながら静かに、静かにほころんでいくのだろうか。
見上げるばかりの花は芳香を放つという。が、そんな近くに花を見ることはできない。

今年は すっかり選定されて花数も少ないが…  泰山木


タイサンボクは中国山東省にある『泰山』ノ木ということである。
世界遺産に指定されている道教の聖地 『泰山』とは直接関係ないようだが、その雄大さ故の命名か。
見解は色々のようだが、大きな葉の間に次々と大輪の花を咲かせ 学名のgrandiflora「大きな花」の
意は、まさに!と誰もが思いそうだ。 
初夏の朝陽に、孟夏の夕日に輝く花は三余堂への道に日陰を作る。



泰山木
ゆふぐれの 泰山木の 白花は われのなげきを おほふがごとし 斎藤茂吉












投稿日 2014年06月01日 22:11:40
最終更新日 2014年06月01日 22:12:26
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