http://nogakusanpo.maya-g.com
記事移動
2013年11月01日
霜月の朝顔 
カテゴリ : [案内望遠鏡]
鋏の音が 冷たい朝に響く。あちこちで植木の手入れである。
温暖化で厳しい夏だった今年、小さな庭の木も枝が大きく張って
この時期になっても青々と葉を繁らせていた。
10月の末に 次々に発生する台風の心配をしながら 植木に鋏が入る。
あちらの家も、こちらの家も脚立の足を据えて 枝葉の中に植木職人の姿が
埋もれていた。 三余堂もしかり。 自慢のヤマボウシもすっかり枝が落ちた。
嵐の強い風にも負けず、公道に向かって好き放題に伸ばした枝がうち払われ
赤く染まった葉が 顔を出した。 ちら、ほら 。
これで サザンカでも咲き始めれば ザット 冬でござる〜

赤くなった葉が  霜月の朝顔 



霜月の朝顔  霜月のつぼみ


             まだまだ頑張る艶姿 霜月の朝顔 


いやぁっ〜 まだまだ…  木の下陰で息を潜めていた朝顔がつぼみをつけている。
恐れ入谷の鬼子母神からの嫁入り娘、本来なら往生の時をとっくに過ぎている
筈なのに 今や大年増となってご生息である。 
まさか あでやかな行燈づくりの姿に 雪が積もるなんてことはないと思うが。
江戸時代に観賞用植物となるまでは もっぱら百薬の長として珍重された朝顔。
一年、一年で命を終えるこの花は 夏ではなく秋の季語である。
が、霜月の朝顔につぼみがあっちゃぁ…
 “朝顔に つるべ取られて もらひ水” 
加賀千代女はなんと捻るか、霜月一日の朝。





投稿日 2013年11月01日 9:08:03
最終更新日 2013年11月01日 9:12:36
修正