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2013年02月20日
旧暦では今月10日に新年になったばかりなので、暦とそして四季のお話。

聞くところによると、最近七十二候が注目を浴びているふしが。
この七十二候は古代中国に由来し、季節や気候の変化を細かく分けたものですが、二十四節気のほうが比較的身近かもしれません。たとえば、つい先日の立春に始まり、春分、夏至、秋分、冬至などは今でも日常生活になじんでいるもの。これは一年を半月ごとに季節の変化を二十四に分けているものです。それをさらに5日ごとに区切って気象やそれに伴った動植物の変化などを表したものが七十二候なのです。時代と共に、日本の気候風土に合わせて少しづつ改訂されてきたそうで、読んでみるとなかなか面白いですが、そうかなァ?と思うようなものも。

参考までに、ちょうど今の時期にあたる2月19日頃より3月6日頃が二十四節気では「雨水(うすい)」で、七十二候では 土脉潤起 つちのしょううるおいおこる (雨が降って土が湿り気を含む)、 24日頃より 霞始靆 かすみはじめてたなびく (霞がたなびき始める) だそうな。

昨年暮にフランスの諺を書いた2013年版カレンダーを制作しましたが、それに用いた諺はフランスの農耕作業に関する四季折々の言い伝えの中から選びました。中世の写本の中にも必ず暦の章があり、月ごとの天体の位置や農作業の挿絵が施されていて、気候の変化と農耕と庶民の生活が密着していたのでしょう。

暦 
Les Très Riches Heures du duc de Berry
(ベリー公のいとも豪華なる時祷書:15世紀フランス)3月の暦 春耕の図 

このフランスの四季の諺と二十四節気や七十二候を読み比べてみたら、洋の東西の違いにも関わらず似たようなものを発見しました。

二十四節気の「雨水」の次は「啓蟄」ですが、これは春分までを指し、冬眠していた虫が穴から出てくることです。俳句の季語にも「蛇穴を出づ」というのもあります。そして七十二候は 蟄虫啓戸 すごもりむしとをひらく (冬ごもりの虫が出てくる)。

さて、これがフランスだとどうなるかといいますと、3月17日「聖パトリス(アイルランドの守護聖人である聖パトリック)の日が暖かいと、ザリガニが穴から出てくる」そうです。
今年の暦には復活祭の諺を書いたので、来年の3月にはこれを書こうかな。



2013年版カレンダーの2月は14日聖ヴァレンタインの日の諺。
聖ヴァランタン(ヴァレンタイン)の日の天気はその年の春の気候である。暦

さて、14日はどんなお天気だったか...


立春を過ぎてからのほうが寒さが厳しい東京。「すごもりむし」状態の方も多いかと。暖かい春が待ち遠しいです。
投稿日 2013年02月22日 1:17:26
最終更新日 2013年02月22日 1:17:26
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