http://nogakusanpo.maya-g.com
記事移動
2009年05月01日
かりん
カテゴリ : [案内望遠鏡]
住宅地の中に 見たカリンの畑。 
以前は農地だったであろう処が 緑地として残すためか 今はカリンが植えられている。
カリンの前は 芋か何かの作物だったこともあった。 
その前は 栄養たっぷりの色をした土が小山のように積み上がっていた。
四月に満開だったカリンのその後は 陽の光にかがやく葉をたたえ 実を結ぶ序章。


かりんの向こうに満開のもも 三月下旬の様子 かりん


かりん  カリンの花
 

        新緑のカリン 低木に剪定  かりん 

バラ科の植物と知ると、 なるほど 同じバラ科のボケの花に似ている。
低木に花をつけたカリンは馴染がなかったので 初めは何の木かと 訝しく思った。
そのうちに 楕円形の黄色い大きな実を見た。  ほぉー カリンかぁ 〜 
きれいに剪定された低木には不釣り合いな 大きな、おおきな 実がなっていた。
10月も下旬 芳しい香りがする。
秋になる実は ビタミCなど 咳や痰、喉の炎症に効く成分があるという。
生食には御世辞にも向かない 堅さと、渋み。 
これが砂糖漬けやジャム、果実酒になるのだから 不思議なもンだ 。
ちなみに 小麦粉、砂糖、水、食塩、重曹などを練って 棒状にして油で揚げ、
黒砂糖などの蜜でからめて乾燥させた菓子は カリンの砂糖漬けのことではない。
かりんとう、花梨糖 という菓子は全く別物なのでご注意のほど。 


大きな実がいくつかに割られ、ぷかぷかと焼酎に浮かんだカリンは 飴色の酒になって
喉に良いと 風邪の季節に台所の床下から登場する。 
渋みが抜けて 甘い。 別に旨いものではない。
要するに 薬ということで ウマいからクウ というものではない。
生薬ということは 毒にもなるということで種は気をつけろ といわれている。
花もきれい、葉の緑も紅葉も美しく、芳しい香りの大きな実、 とくれば お次は 毒だなぁ…

吹く風にあたっただけで死んでしまう 附子(ぶす) という毒が入っているから絶対に近づくなと 
太郎冠者、次郎冠者に言って 出かけた主人が、隠していた砂糖をすっかり 彼らに食われてしまう、
という狂言がある。
曲名 附子。 五月九皐会で野村萬蔵師が勤める。
当時の貴重品 砂糖を猛毒のブス だと言った主人。 
この 附子は トリカブトの根の毒のことで 四谷怪談のお岩さんが飲まされたのも これだとか。
勿論 この附子、生薬で用法によっては 我らもお世話になっているわけだ。


まっ、 どの道、お里の知れないものは 遠くからそっーと 愛でているのも選択肢 !



投稿日 2009年05月01日 14:09:42
最終更新日 2009年05月01日 14:09:42
修正