http://nogakusanpo.maya-g.com
記事移動
2013年01月20日
   ヨーロッパの中世の写本によく登場するアラベスク文様は、いわゆる唐草文様の西洋スタイル。その葉はアカンサスというアザミ科の植物をデザインしたもので、今までも何回か能楽さんぽの記事にも登場しています。モデルはアカンサスといっても、次第になんだかすっかり違う姿になっていて、鵞毛庵の家の近所のアカンサスを見るたびに、これがどうしてああなるのかァ?などと思ったりも。特に花はまったく違った、と思うのは現代人の目で、何百年も前の人にはそう見えたのかなァ。。。とも。

アラベスク・唐草・唐花  (c)La plume d'oie 2013 
人の心に思ひも寄らぬ感を催す手立、これ、花なり    
世阿弥「風姿花伝」より
画像はクリックすると大きくなります。

   カリグラフィー作品のモチーフにとフランスやイタリアの写本から装飾を取り出してみると、すっかりこちらの唐草文様のようにも見えてしまい、案外違和感がないような。能装束から唐花をモチーフにしても、同様、フランス語の作品にすんなりマッチしてしまいました。


(c)La plume d'oie 2013
人人(にんにん)心心(こころごころ)の花なり 
世阿弥「風姿花伝」より                             アラベスク・唐草・唐花


   今年は観阿弥生誕680年、世阿弥生誕650年にあたり、新たに「風姿花伝」のフランス語訳を基にしたカリグラフィー作品を制作しています。 そのうちの小作品を何点か「大きな夢・小さな絵展」に出展いたします。


大きな夢・小さな絵展アラベスク・唐草・唐花

2013年1月24日(木)〜2月3日(日)
12:00〜19:00 最終日は17:00まで
神楽坂セッションハウスガーデン

画像はクリックすると大きくなります。

*大きな夢・小さな夢 は 間違いで、大きな夢・小さな絵が正しい展覧会名です。
投稿日 2013年01月20日 1:34:58
最終更新日 2013年01月20日 1:34:58
修正
2013年01月01日
カテゴリ : [案内望遠鏡]
新年のご挨拶  本年も宜しく願い上げます 

謹賀新年

午前零時。平成25年は美しい輝く月を愛でながら、新しい歳を迎えることになった。
元旦の午前中は何やかにやと気忙しく過ぎるものであるが、常々三余堂には賀状も
早々に届き、引き締まる思いで新春のご挨拶を手にする。
ワープロが家庭に普及始めた頃から 郵便局の仕分けを悩ませる宛名が減ったかと
思いきや、相変わらずの行き先定まらぬ年賀葉書はあるようだ。
“腕を振るうのは 文面の方で、宛名書きは誰にも読めるようにお願いしまぁ〜す”
と、年末のラジオの声が耳に残っている。
まぁ、読む力も落ちているのは事実で、漢字の書体は楷書、行書、草書、
篆書(てんしょ)に、隷書(れいしょ)とあるのだから、せめて、書き文字としての
行書、慣習的に使いならされた簡易な草書ぐらいは学び、識るべきなのだろう。

法隆寺の五重塔の落書きは 手習いの手慰みだったという。
読み書きが出来るのは当たり前のことのように思いがちだが、読むにも書くにも
文字を習い続けろよ、と、年賀葉書が心に呼びかける。
年初の思いが如何になるかは兎も角、東京国立博物館で特別展「書聖 王羲之」が
1月22日から始まる。  この王羲之先生の文字が、大切なのだそうで…

しかし乍、しっかり学べと云われても、まず読めネェ〜 と、何処かで声がする。
一方、明日は書き初めだとの耳元での囁きもある。






投稿日 2013年01月01日 3:04:31
最終更新日 2013年01月01日 3:06:36
修正