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只今 三余堂から 百数十歩のところに 区立図書館建設中。
以前 車で5分ほどの 近隣図書館に行ったことがある。
大きなガラス壁面をもつ 近代的な建物だった。
燦々とふりそそぐ おてんとさまを背に 日向ぼっこをしながら新聞を読む老紳士、
家庭雑誌に 鼻眼鏡で目を通す 白髪の婦人で ソファーのコーナーは 満員御礼。
平日午前中のことであった。
その後時を経て 家庭にパーソナルコンピューターが 入ってきた。 そして インターネットも。
最近 《Flib》 フリブというサイトが開いた。 電子書籍の図書館である。
電子図書館としては 青空文庫が有名で 著作権切れの作品を 収集、公開している。
ボランティアの手によるものだそうで なかなかのご苦労である。
著作権切れの作品 ということは 本棚裏の奥や 天袋をごそごそやって
見つけ出したような本にもお目にかかれる。
中里介山 大菩薩峠 千恵蔵でも雷蔵にでもなったつもりで目が通せる。
そのほか 銭形平次でも 何でもなってくれぃ。
ipodでも読めるようになっている。 机竜之介を ipod片手に 通勤電車で読むのは オツか?
フリブは 雑誌も 絵本も コミックも 閲覧できる。
活字が小さく 読みにくくなった御仁には 頁をめくりながら大きな文字で読める。
ただし 著作権問題があるので 作品は限られる。
鬼平もないし、国家の品格もないし、総理大臣の美しい著書もない。
多少 文字が小さかろうが 自らの眼鏡が合わなかろうが 読みたいものは 読みたいものだ。
図書館がひなたぼっこに 最適だろうが まもなく 近くに出来ようが 今ここで 読みたいと
親父殿も 母上も 擦り切れるほど読んだ 鬼平に代わって 佐伯泰英のシリーズを端から
繰り返して 読破している。 食事・一服・血圧記録・居眠り と日々忙しい中
せっせと読み 重要な仕事である 定期通院の 病院の待合室でも 読む。
いずれ この本は パリ鵞毛庵蔵書 となる。
佐伯泰英 「密命」シリーズをはじめ、数々の人気シリーズをかかえる人気時代小説作家
書籍を電子化する巨大な計画が グーグルやヤフーで推し進められているそうな。
利用・活用は それぞれの分野で 限りなく広がっている。
電子書籍が 印刷物に 取って代わることはないだろうが 活用者は増えよう。
一方 一冊、一冊を 糸針で和綴じされた書籍も より愛おしまれるだろう。
謡本もその一つである。
Flib http://www.flib.jp/
青空文庫 http://www.aozora.gr.jp/
2007年03月20日
カテゴリ : [鵞毛庵能の花シリーズ]
ご存知「安宅」。
旅の衣は篠懸の...の篠懸(すずかけ)とは篠懸衣(すずかけい)とも呼ばれる山伏など修験者が着る法衣。これは露を払い易いように麻が用いられています。スズカケとは鈴懸とも書き、プラタナスのこと。なんで山伏の法衣が篠懸と呼ばれるかというと、首から纏う結袈裟(ゆいげさ)の丸い房がスズカケの実に似ていることからきているとか。なぁる。
パリの街路樹にはこのスズカケ、つまりプラタナスが多いので実があちこちでみられます。
鵞毛庵撮影 パリにて 2007
こうやってしげしげ眺むるに。。。確かに似てますね。昔の人の着眼点は面白い。
せっかく実の証拠写真も撮ったし、ちょっとそれらしい雰囲気も加えてATAKAを自由書体で表現してみました。
はがき大 「安宅」© La plume d’oie 鵞毛庵 2007
先回の個展で能の曲目イメージを桐箱に描き、いくつか父に目を通してもらったのですが、その際に そりゃぁ弁慶だ!安宅ッ!と一発でどんぴしゃだった色合いをもとにしています。
今月の23日から30日まで鵞毛庵が住むパリのオペラ座ガルニエで団十郎・海老蔵の「勧進帳」の公演が催されます。それゆえに今月の作品に「安宅」が登場。
歌舞伎の「勧進帳」は能の「安宅」が原曲の松羽目物。能の「安宅」では弁慶は富樫に対して関所を通さないと仏罰が下るとかなんだとか脅しをかけて強引に押し切りますが、歌舞伎では富樫は疑いつつ、最終的には確信しつつも もののふの情け から関所を通すという泣ける展開。この違いは、「安宅」が作られた時代には、一般的に山伏の存在がかなり怖いものだったらしいのに対して、江戸時代ではその権力が低下、判官びいきでお涙頂戴的な娯楽要素が高まった仕立てからきています。
今回のこの歌舞伎パリオペラ座公演は「勧進帳」のほかに、やはり能から題材をとった「紅葉狩」が演じられます。「安宅」の色調が春らしくないのでちょっと寂しいから色を添えて、と思いましたが これも季節物にあらず。昨年11月の三余堂月次で「紅葉狩」に触れた際には庵主撮影の紅葉の写真を掲載しましたが、ここではあの紅葉狩を思い出しながらの作品。
はがき大 「紅葉狩」© La plume d’oie 鵞毛庵 2007
成田屋親子のパリ公演は千秋楽に観に行きますので、観劇報告は後々に鵞毛庵日記にて。
来月は4月らしい作品を掲載せねば!
旅の衣は篠懸の...の篠懸(すずかけ)とは篠懸衣(すずかけい)とも呼ばれる山伏など修験者が着る法衣。これは露を払い易いように麻が用いられています。スズカケとは鈴懸とも書き、プラタナスのこと。なんで山伏の法衣が篠懸と呼ばれるかというと、首から纏う結袈裟(ゆいげさ)の丸い房がスズカケの実に似ていることからきているとか。なぁる。
パリの街路樹にはこのスズカケ、つまりプラタナスが多いので実があちこちでみられます。
鵞毛庵撮影 パリにて 2007
こうやってしげしげ眺むるに。。。確かに似てますね。昔の人の着眼点は面白い。
せっかく実の証拠写真も撮ったし、ちょっとそれらしい雰囲気も加えてATAKAを自由書体で表現してみました。
はがき大 「安宅」© La plume d’oie 鵞毛庵 2007
先回の個展で能の曲目イメージを桐箱に描き、いくつか父に目を通してもらったのですが、その際に そりゃぁ弁慶だ!安宅ッ!と一発でどんぴしゃだった色合いをもとにしています。
今月の23日から30日まで鵞毛庵が住むパリのオペラ座ガルニエで団十郎・海老蔵の「勧進帳」の公演が催されます。それゆえに今月の作品に「安宅」が登場。
歌舞伎の「勧進帳」は能の「安宅」が原曲の松羽目物。能の「安宅」では弁慶は富樫に対して関所を通さないと仏罰が下るとかなんだとか脅しをかけて強引に押し切りますが、歌舞伎では富樫は疑いつつ、最終的には確信しつつも もののふの情け から関所を通すという泣ける展開。この違いは、「安宅」が作られた時代には、一般的に山伏の存在がかなり怖いものだったらしいのに対して、江戸時代ではその権力が低下、判官びいきでお涙頂戴的な娯楽要素が高まった仕立てからきています。
今回のこの歌舞伎パリオペラ座公演は「勧進帳」のほかに、やはり能から題材をとった「紅葉狩」が演じられます。「安宅」の色調が春らしくないのでちょっと寂しいから色を添えて、と思いましたが これも季節物にあらず。昨年11月の三余堂月次で「紅葉狩」に触れた際には庵主撮影の紅葉の写真を掲載しましたが、ここではあの紅葉狩を思い出しながらの作品。
はがき大 「紅葉狩」© La plume d’oie 鵞毛庵 2007
成田屋親子のパリ公演は千秋楽に観に行きますので、観劇報告は後々に鵞毛庵日記にて。
来月は4月らしい作品を掲載せねば!
投稿日 2007年03月20日 19:29:13
最終更新日 2007年03月20日 19:29:13
【修正】
2007年03月01日
カテゴリ : [案内望遠鏡]
只今 三余堂から 百数十歩のところに 区立図書館建設中。
以前 車で5分ほどの 近隣図書館に行ったことがある。
大きなガラス壁面をもつ 近代的な建物だった。
燦々とふりそそぐ おてんとさまを背に 日向ぼっこをしながら新聞を読む老紳士、
家庭雑誌に 鼻眼鏡で目を通す 白髪の婦人で ソファーのコーナーは 満員御礼。
平日午前中のことであった。
その後時を経て 家庭にパーソナルコンピューターが 入ってきた。 そして インターネットも。
最近 《Flib》 フリブというサイトが開いた。 電子書籍の図書館である。
電子図書館としては 青空文庫が有名で 著作権切れの作品を 収集、公開している。
ボランティアの手によるものだそうで なかなかのご苦労である。
著作権切れの作品 ということは 本棚裏の奥や 天袋をごそごそやって
見つけ出したような本にもお目にかかれる。
中里介山 大菩薩峠 千恵蔵でも雷蔵にでもなったつもりで目が通せる。
そのほか 銭形平次でも 何でもなってくれぃ。
ipodでも読めるようになっている。 机竜之介を ipod片手に 通勤電車で読むのは オツか?
フリブは 雑誌も 絵本も コミックも 閲覧できる。
活字が小さく 読みにくくなった御仁には 頁をめくりながら大きな文字で読める。
ただし 著作権問題があるので 作品は限られる。
鬼平もないし、国家の品格もないし、総理大臣の美しい著書もない。
多少 文字が小さかろうが 自らの眼鏡が合わなかろうが 読みたいものは 読みたいものだ。
図書館がひなたぼっこに 最適だろうが まもなく 近くに出来ようが 今ここで 読みたいと
親父殿も 母上も 擦り切れるほど読んだ 鬼平に代わって 佐伯泰英のシリーズを端から
繰り返して 読破している。 食事・一服・血圧記録・居眠り と日々忙しい中
せっせと読み 重要な仕事である 定期通院の 病院の待合室でも 読む。
いずれ この本は パリ鵞毛庵蔵書 となる。
佐伯泰英 「密命」シリーズをはじめ、数々の人気シリーズをかかえる人気時代小説作家
書籍を電子化する巨大な計画が グーグルやヤフーで推し進められているそうな。
利用・活用は それぞれの分野で 限りなく広がっている。
電子書籍が 印刷物に 取って代わることはないだろうが 活用者は増えよう。
一方 一冊、一冊を 糸針で和綴じされた書籍も より愛おしまれるだろう。
謡本もその一つである。
Flib http://www.flib.jp/
青空文庫 http://www.aozora.gr.jp/
投稿日 2007年03月01日 0:09:46
最終更新日 2007年03月01日 0:09:46
【修正】