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2007年09月10日
能の花 Vol.3 作品紹介 その3
能「半蔀」は光源氏への想いを美しく描いた曲目ですが、「夕顔」は同じ題材でもちょっぴり悲しいストーリーです。 光源氏と夕顔が忍び逢ったという旧跡に現れた夕顔の霊が、その逢瀬の最中に物怪にとりつかれて死に至ったことを語り、昔を懐かしむ物語。

夕顔

                          能の花 Vol.3 作品紹介 その3
 
                        
                        56x78cm ©La plume d’oie 鵞毛庵 2007

                     山の端の心も知らで行く月はうはの空にて影や絶えなん
                            De la crête des monts  
                  ignorant le sentiment la lune qui va indifférente au ciel
                            va-t-elle disparaître?

テキストに使用したカロリンヌ体はカロリンガ王朝の頃の公式書体であり、8世紀ごろから4世紀以上にわたって長く愛用された書体です。
背景は同じテキストをそのカロリンヌ体で重ね書きしたものと、自由にアレンジした書体を重ね合わせてあります。画像をクリックして拡大してご覧ください。


能の花 Vol.3 作品紹介 その3    夕顔部分

                                                                                      夕顔             能の花 Vol.3 作品紹介 その3 
                     39x56cm ©La plume d’oie 鵞毛庵 2007

山の端出でし月影のほの見えそめし夕顔の
A la clarté de la lune qui a franchi les crêtes imprécise apparue la belle du soir

はかない花の夕顔と、夕顔自身の哀れな行く末をイメージした作品。ゴティック体のアレンジを夕顔に見立てた背景に筆書きの自由書体を重ねています。
投稿日 2007年09月11日 15:20:43
最終更新日 2007年09月11日 15:20:43
修正