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2016年05月20日
密書
今、NHKで海外ドラマ「マスケティアーズ」を放映しているのをご存じでしょうか?マスケティアーズとは銃士隊のこと。つまり、あの三銃士とダルタニアンの物語です。

原作はフランスのルイ王朝時代の物語でアレクサンドル・デュマによる1844年に書かれた新聞小説Les trois mousquetaires(三銃士)です。これが新聞小説って、ちょっとワクワクしますが、実はかなりの長編時代劇の冒頭の一部にすぎず、史実に沿いながら、田舎から出てきた若いダルタニアンがアトス、ポルトス、アラミスの三人の銃士たちと出会ってさまざまな困難を乗り越え、続編ではその20年後、国王はルイ14世となりフランスとイギリスを股にかけて活躍、最終編はさらにその10年後で、鉄仮面のエピソードが登場し、ダルタニアンの死を迎えるというもの。実在の人物も多く登場します。

密書

パリ17区にあるダルタニアンの像

こういった冒険活劇につきものなのが「密書」。そんな密書がどんな字で書かれていたかを想像するのもちょっと楽しいものです。フランスの17世紀、国王のルイ13世が書体を少し統一化しようと提案したとかで、当時の宮廷お抱え秘書官で書家であったバルブドールという人が考案したのがロンドという書体。15〜16世紀、フランスで多く使用されていた手書きの書体を改良したものなのですが、バルブドールがあまりにも巧みな技術の持ち主だったのもあり、書くのも読むのも結構難しく、徐々に特殊な書類にのみ使用が限られていきました。 

       密書
Louis Barbedor 1640年ごろ ルイ・バルブドールによるロンド体の書面


三銃士に登場する「密書」がこんな風に書かれていたやも、と想像すると興味は尽きません。
投稿日 2016年05月30日 15:40:25
最終更新日 2016年05月30日 15:42:35
修正