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2015年06月21日
雨降る頃の
雨降る頃の

今月のカレンダーの寓話は「牛になりたかったカエル」。
梅雨らしくなってきた東京ですが、近頃カエルみかけないですねぇ。
時折、早朝に車に轢かれたおぼしく哀れな姿をさらしていることも。

さて、この寓話、大きくて立派な牛をみかけたカエルが主人公。あんなふうに大きくカッコよくなりたい!と思い、お腹を一生懸命膨らませますが、まだまだと、どんどん膨らませた挙句に破裂してしまいました。

ラ・フォンテーヌ版ではカエルは妹も登場し、どうだい?という兄ガエルに、まだまだよ、もっともっと大きく!と言い続け、悲惨な結末を迎えます。この寓話の教訓はないものねだりをしない、身の程を知れ。

カエルと並んでこの季節の代表選手はカタツムリですが、日本ではアジサイと共に描かれるのが定番。アジサイはどんどん品種改良されて新種が増えていて、あちこちで咲き誇っていますが、カタツムリはどこへ行っちゃったんでしょう?

ところ変わってフランスは15世紀。ベリー公のいとも華麗なる時祷書にキリストの「パンと魚の奇跡」のページの囲みの装飾にカタツムリが沢山描かれています。ただし花はヒエンソウ。なかなかインパクトのある色彩で目を惹きますが、この組み合わせは、中世以来、「急がば回れ」を象徴する文様だそうです。

雨降る頃の


そしてカタツムリのねばねばした体液は、写本の装飾の金箔を置く際に、糊がわりに使用されていたとも。

あ、そしてフランスではカタツムリ=エスカルゴ、食べます!


投稿日 2015年06月21日 11:22:09
最終更新日 2015年06月21日 11:22:26
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