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2014年12月01日
“江戸時代の罪と罰”
カテゴリ : [案内望遠鏡]
何時も師走になると街は忙しそうに装う。
装わないといけないような気分も押し寄せてくる。
近隣スーパーでは、おせちの予約は当然ながら 11月下旬からは鏡餅を販売始めた。
それがまた売れているのだ。 秋をしみじみ感じる間もなく 新年へと突進させられる。
今時、正月の支度だといって障子の張替えや、畳を上げる家など見かけないし、
野菜不足に備えた白菜漬けだといって、大きな株を幾つも干す家庭などあるだろうか。
今年は総選挙を控えているから尚更、拍車が掛るのか。
忙しいこんな時に… と言いながらも ホントに忙しいのか…


今 国立公文書館では “江戸時代の罪と罰” という平成26年の特別展が行われている。
8代将軍徳川吉宗の時に編纂された「公事方御定書」 (くじかたおさだめがき 1742年成立 )から
明治刑法(1882年施行)まで、わが国の刑罰と牢獄の歴史を振り返るという趣向。

公事方御定書は老中を主にして、勘定奉行、寺社奉行、江戸町奉行の三奉行が中心となって編纂、
元文3年(1738年)に完成。その後、追加作業で寺社奉行時代の大岡越前守忠相も関わったそうな。
特に犯罪と裁判についての御定めで、原則は三奉行と京都所司代、大坂城代のみが閲覧を
許されるということであったらしい。 が、そこはどういうことやら、天保12年(1841年)に『棠蔭秘鑑』
という写本が作られ、利用されていたり、諸藩でこっそり写本が流布して、藩の法令制定の参考に。
本来は幕府領内での法だったつもりが、結局、日本国内統一法のようになってしまったとやら。
実質上廃止された田畑永代売買禁止令のように、御定書に載せられていたものが明治4年(1871年)
まで有効な法律とされて存続したものもあった由。
そんな 公事方御定書【棠蔭秘鑑】、当時の小伝馬町牢獄内のお作法の様子やら、
明治初年の牢獄獄内の図などの興味深い展示が特別展である。


ホントは忙しくない、そんな御仁は、歴史の中の生活を見てから投票所に向かうと宜しいかもしれない。
開催最終日は14日で 総選挙投票日当日である。 










投稿日 2014年12月01日 0:53:00
最終更新日 2014年12月01日 0:53:00
修正