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2014年09月01日
漢字を使う国
カテゴリ : [案内望遠鏡]
暑い夏をやり過ごすには人気の図書館。
空調の加減の良いのは新書が並ぶ棚の前であった。
ただ ぽっーと眺める背表紙の漢字。 突然にベトナムも漢字の国だったと思う。
いやっ、今の表記はちがうナァ…  
廻らない頭の中を アオザイの美女やら ハルマキやら ベトナムの僧侶が伝えたといわれる
林邑楽のことやらが駆け巡る。 この林邑楽、大陸を経由しての楽かもしれないが、奈良の東大寺
大仏開眼法要で奏されたというベトナム製。
外は灼熱でここは涼しい、何とかしばらく時を稼ごうと手が棚に伸びて
べ べ べ… ベトナムの歴史 、いや 文化、いや料理だなぁ
あぁ〜 ヴェ ヴェ ヴェトナムかぁ  とますます頭は廻らず、訳の判らないことに感心する。


『物語 ヴェトムの歴史』 よし、これで行こう!
副題に一億人国家のダイナミズム とある。 ほぉ〜 そんなに人がいるのかぁ 
やっと手にしたのは 中央公論社の中公新書 小倉貞夫著であった。
1997年発行とあるので 近年のベトナムの発展ぶりを15年前には
どんな風に予測していたのかなぁ… なんて あとがきをチラチラ。
巻末の年表でざっと 歴史は掴めるかとペラペラ。
が、 近年の統一はおろかベトナム戦争になるまではナカナカ。

歴史の中に国家として登場するのは、紀元前2880年頃で雄王(フンヴォン)の文朗国。   
ベトナムの古代史は、インドシナ半島の全体の歴史に繋がり、その後は中国支配の歴史になる、 
清朝がガタツイテくるといよいよややこしく、厚い歴史は体温上昇を招くばかりだ。

紀元前111年には、ベトナム南越国を、漢の武帝支配。
約千年間ベトナムは政治的にも文化的にも 独自の文化を保持しつつ、言葉も文字も漢化される。
唐代玄宗皇帝に気に入られた、阿倍亜仲麻呂が753年遣唐使藤原清河と共に楚州からの帰国の際
嵐で漂着したのはベトナムだった。
“天の原ふりさけみれば春日なる三笠の山に出し月かも”
と、楚州で詠んでやっと日本へ向かったのに、そう簡単には帰れなかった。
また唐に戻るのだが、山岳地帯の部族が反乱を起こしたので 平定を命じられたという。

当時の表記はベトナム語の発音に近い音を持つ漢字を借用していたようだ。
が、知識人が中心になって独自の漢字を開発したという。阿倍亜仲麻呂も同じ漢字で
どれだけの言葉を操ったのか。19世紀までは、ベトナム語は漢字を使って表記していたという。
まっ、音は解らずとも意味が判れば漢字はイイ感じということで…

序章 ヴェトナムとインドシナ  第一章 中国支配の時代 と読み進む。
新書にしては400ページからの厚みで 第四章のフランス植民地になるまでまだまだである。 
汗も収まったので、そっーと 棚に戻して 退出。






    
    

投稿日 2014年09月02日 16:43:29
最終更新日 2014年09月02日 16:50:19
修正