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2008年09月20日
中秋
1週間ほど前が十五夜で中秋の名月。

月は一年中見えるけれど、秋は特にそのさやけさや清らかさが増すということから、俳句では単に「月」というと秋を指します。それで名月といったら中秋の十五夜。そして十六夜、立待(たちまち)、居待(いまち)、臥待(ふしまち)、更待(ふけまち)と毎夜、お月様には名前があります。そしてその間の月が出るまでの闇を宵闇といいます。

雪月花や花鳥風月として、美しさと四季の風情に大活躍で、中国でもよく詠われるお月様ですが、西洋ではどちらかというと、魔性の趣を秘めている意味に使われることが多く、2007年のお題にあわせての書初めで、「月」に関するフランス語の例文を探した時に苦労したものです。

謡の詞章にもたくさん出てきますが、今回ご紹介するのは「道成寺」より。



中秋La plume d’oie © 鵞毛庵 2005
月落ちて鳥啼いて... La lune descend,les oiseaux crient…

画像をクリックすると大きくなります。

書体はアングレーズ、日本ではカッパープレートといわれているものを多少アレンジしてあります。この書体は18世紀以降、貿易が盛んだったイギリスで発展。さまざまな書類を迅速に読みやすく書くという必然から生まれた書体で、カリグラフィーの書体とはして一番新しいものです。画像のようなペンで書きます。(またまた黄瀬戸の笛登場!)

                                 中秋

巴里のアパルトマンでは美しい月に笛の音色というわけにも参らず。

投稿日 2008年09月20日 19:52:32
最終更新日 2008年09月20日 19:53:40
修正