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2008年07月20日
カテゴリ : [鵞毛庵能の花シリーズ]
納涼に暑気払いで怪談噺というのが日本では定番。
しかし、能の演目では季節に関係なく実によく幽霊などのこの世のものじゃないものが登場します。
船弁慶 La plume d’oie© 鵞毛庵 2005 桐箱寸松庵サイズ
能「船弁慶」は源義経が兄頼朝に疎まれて西国に落ちようとする際に、静御前と別れ大物ヶ浦で平知盛の亡霊に出会うお話。
書体はフリーハンドで幅の広いペンと筆を使用し、大物浦の荒波で亡霊に出会う義経一行をイメージして仕上げました。
幅の広いペンとは、竹や葦など幅広に削ってペン(カラム)にしたものや、既製品のペン先にも幅の広いものがあり、細いラインと組み合わせてコントラストを楽しむのに頻繁に使用しています。
芝居だとヒュードロドロっと、太鼓の「うすどろ」に笛の音取にあわせて焼酎火がゆらゆら〜〜〜っ、
ぞ〜〜〜ォッとなって涼しくなるところですが、今では冷房が効いているからそんな効果は期待できないかも。
冷房の普及といえば、以前は夏場には袴能といって装束をつけずに能を演じたものですが、近頃は野外での薪能の方が盛んになりました。
パリの今夏はいまのところちっとも暑くなく、でも、やっぱり夏なので、今夜は圓朝作「牡丹燈籠」か、はたまた「真景累ヶ淵」でも聞きましょうか。
いや、小林正樹の映画「怪談」(小泉八雲原作)で「耳なし芳一」かな。
しかし、能の演目では季節に関係なく実によく幽霊などのこの世のものじゃないものが登場します。
船弁慶 La plume d’oie© 鵞毛庵 2005 桐箱寸松庵サイズ
能「船弁慶」は源義経が兄頼朝に疎まれて西国に落ちようとする際に、静御前と別れ大物ヶ浦で平知盛の亡霊に出会うお話。
書体はフリーハンドで幅の広いペンと筆を使用し、大物浦の荒波で亡霊に出会う義経一行をイメージして仕上げました。
幅の広いペンとは、竹や葦など幅広に削ってペン(カラム)にしたものや、既製品のペン先にも幅の広いものがあり、細いラインと組み合わせてコントラストを楽しむのに頻繁に使用しています。
芝居だとヒュードロドロっと、太鼓の「うすどろ」に笛の音取にあわせて焼酎火がゆらゆら〜〜〜っ、
ぞ〜〜〜ォッとなって涼しくなるところですが、今では冷房が効いているからそんな効果は期待できないかも。
冷房の普及といえば、以前は夏場には袴能といって装束をつけずに能を演じたものですが、近頃は野外での薪能の方が盛んになりました。
パリの今夏はいまのところちっとも暑くなく、でも、やっぱり夏なので、今夜は圓朝作「牡丹燈籠」か、はたまた「真景累ヶ淵」でも聞きましょうか。
いや、小林正樹の映画「怪談」(小泉八雲原作)で「耳なし芳一」かな。
投稿日 2008年07月21日 7:35:53
最終更新日 2008年07月21日 7:36:09
【修正】
2008年07月01日
カテゴリ : [案内望遠鏡]
吊花、つりばな という落葉低木がある。
五月の連休前後に 密やかに緑淡色からほんのり赤紫の小さな花柄を下げる。5ミリほどの花である。
結んだ実は秋に熟して紫紅色になり、5個に裂開する。そして、目にも鮮やかな朱赤の種がのぞく。
三余堂吊花
吊花の実がはじけて
秋の紅葉が錦の織物のように美しいところから 錦の木、錦木の名前で知られる低木がある。
カエデ、スズランノキと並び世界三大紅葉樹のひとつのなだそうだ。
枝に矢筈のような羽がある。
弓の弦を受ける矢筈、やはずのような羽を枝につけているので 見つけるのが容易い。
若枝は緑色。やがて表皮を突き破って、板状の羽根ができる。カミソリの刃のように。
羽根は年々大きくなるが、4年目には成長をやめるらしい。
ニシキギ
花も実も 吊花 とそっくりである。
三余堂の庭には 秋の錦を愛でるために 錦木があった。
ややもすると朱赤の実がはじけるまで 気づかれないままにいる吊花もある。
日陰で絶えた錦木、多少は日を浴びながらも 余命いくばくかと心配な吊花。
ともに ニシキギ科ニシキギ属。ご親戚。
昔 奥州の縁組の風習で 男が女の家の門に錦木を立て、応ずる心があれば家に取り入れた。
取り入れがなければ さらに加えて立て、千束を限りとしたという。
錦木は、恋文の役目をたした鹿角の風習であった。
立てそめてかへる 心は一の千束 (ちづか) まつべき心地こそせね 山家集
世阿弥の作という能 錦木は、この話を題材にしているといわれている。
JR花輪線十和田南駅より徒歩1分。
命あるときには結ばれなかった悲恋物語として語り継がれる錦木塚がある。
五月の連休前後に 密やかに緑淡色からほんのり赤紫の小さな花柄を下げる。5ミリほどの花である。
結んだ実は秋に熟して紫紅色になり、5個に裂開する。そして、目にも鮮やかな朱赤の種がのぞく。
三余堂吊花
吊花の実がはじけて
秋の紅葉が錦の織物のように美しいところから 錦の木、錦木の名前で知られる低木がある。
カエデ、スズランノキと並び世界三大紅葉樹のひとつのなだそうだ。
枝に矢筈のような羽がある。
弓の弦を受ける矢筈、やはずのような羽を枝につけているので 見つけるのが容易い。
若枝は緑色。やがて表皮を突き破って、板状の羽根ができる。カミソリの刃のように。
羽根は年々大きくなるが、4年目には成長をやめるらしい。
ニシキギ
花も実も 吊花 とそっくりである。
三余堂の庭には 秋の錦を愛でるために 錦木があった。
ややもすると朱赤の実がはじけるまで 気づかれないままにいる吊花もある。
日陰で絶えた錦木、多少は日を浴びながらも 余命いくばくかと心配な吊花。
ともに ニシキギ科ニシキギ属。ご親戚。
昔 奥州の縁組の風習で 男が女の家の門に錦木を立て、応ずる心があれば家に取り入れた。
取り入れがなければ さらに加えて立て、千束を限りとしたという。
錦木は、恋文の役目をたした鹿角の風習であった。
立てそめてかへる 心は一の千束 (ちづか) まつべき心地こそせね 山家集
世阿弥の作という能 錦木は、この話を題材にしているといわれている。
JR花輪線十和田南駅より徒歩1分。
命あるときには結ばれなかった悲恋物語として語り継がれる錦木塚がある。
投稿日 2008年07月24日 21:20:33
最終更新日 2008年07月24日 21:20:51
【修正】