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2011年05月20日
ラテン語の古い書体
  今月の案内望遠鏡に登場する、紙も筆もない時代の堅いものを引っ掻いた文字。ラテン語のアルファベットもそうでした。

「ABC」のような大文字書体をローマンキャピタルと呼びますが、これは引っ掻くのではなく、石に刻んだ文字。いくら今と違って読み書きが一般的なことではなかったとしても、これでは走り書きや簡単なメモというわけには......。したがってローマ時代にも、工夫されてもう少し書き易い書体がいくつかあります。

蝋板に金属の棒や葦のペンなどで引っ掻いて書いた書体や 壁に平筆状のもので書かれたもの、パピルスに葦のペンで書かれた走り書きのような草書体などいろいろあります。蝋板は蝋を溶かして平らに直せばあらたに何か書くことができます。
   

          
   ラテン語の古い書体

                      CODEXコデックスという本の起源のような、
                      蝋板を何枚かつなぎ合わせたもの。
                      皇帝ネロの時代(紀元37〜68)



    
                        ラテン語の古い書体
  
こちらはリュスティカRUSTICAと呼ばれる書体で、ポンペイの遺跡の壁に書かれたもの。現代のポスターの役目を果たしていたのでしょう。これも不要になったら上から塗りつぶして、書き直すことができます。

                     
  ラテン語の古い書体   (c)La plume d'oie           


「文字は言葉に時空を超えさせる」という、あるフランスの学者の言葉を作品にしようと思った時に、何か古い書体で書こうと思って選んだのがリュスティカ。
そしてバックには中国の青銅器にあった篆書をあしらっています。
リュスティカはローマンキャピタル同様、紀元前1世紀ごろから使われ始め、最盛期は4〜6世紀。
漢字の方がずんと古い!楷書は5世紀には完成しているんだ〜〜〜ッ。





投稿日 2011年05月20日 1:34:51
最終更新日 2011年05月20日 1:34:51
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