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2008年11月20日
江口
                江口

                      La plume d’oie© 鵞毛庵 2005 「江口」
                 世の中を厭ふまでこそかたからめ仮の宿りを惜しむ君かな
                 Combien il est difficile, certe, d’arriver à renoncer à ce monde
                 O, vous qui répugnez à accorder un asile d’instant

 書いた張本人の庵主でさえ、え?この字はなんだっけ?と思うメロヴィンガ朝(481~751年)の書体にての作品。

 能「江口」は旅の僧が江口の里で、かつて西行法師が詠んだ「世の中を厭ふまでこそかたからめ仮の宿りを惜しむ君かな」を口ずさむと遊女江口の君の霊に出会います。その霊が西行に一夜の宿を断ったわけを話し、さらに秋の月影での舟遊びの有様など語り、やがて普賢菩薩となって昇天するというお話。お坊さんと遊女というちょっと艶やかな物語ですが、この世の迷いを捨てれば魂は救われるということが話の根底に流れています。

実はこの「江口」の一節、お弔いの際によく謡われます。

 折りしもカトリックでは11月は死者の月とされていて、亡くなった方々を弔う季節。フランスでは11月1日の諸聖人の大祝日(万聖節)にお墓参りに行くことが習慣で、季節的なことでしょうが、なぜか墓前の花は菊。しかし、色とりどりの鉢植えをお供えするのが一般的です。



道端に菊の鉢を広げる花屋さん江口
投稿日 2008年11月20日 2:18:12
最終更新日 2008年11月20日 2:18:12
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