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2012年02月20日
桃の花
   まだまだ寒い日が続いていますが、ヴァレンタインデーが終わると世の中は一斉に「おひなさま」モードで、花屋さんでは桃の花を売っているのを見かけます。

   三余堂の玄関も雛飾りで華やかになっております。鵞毛庵は雛あられやかわいい雛菓子を購入して飾りつけの準備中。そして、3月1日からスタートするグループ展「桃の華」のための作品準備中でもあります。


   何人かと雑談中に、桃の花を詠んだ和歌って意外にないかも?というのが話題に。早速調べてみたところ、俳句になると結構たくさん詠まれているのですが、和歌ではやはりすごく少ないようです。

そのひとつに万葉集にある大伴家持の歌

春の苑くれなゐにほふ桃の花 下照る道に出で立つをとめ

というのがありました。

そういえば、いつだったか上巳の節句がお雛様なのだと中国人の友人に説明した時に、それならば桃の花の歌をと唐の孟棨(もうけい)が記した書物「本事詩」に出てくる崔護(さいご)の歌を教えてくれたのを思い出しました。


去年今日此門中
人面桃花相映紅
人面不知何処去
桃花依旧笑春風


去年の今日しかもこの門の中で
(あの娘の)顔と桃の花が紅く映りあっていたなあ
あの娘はどこへいったのか知らないけれど
桃の花は去年と同じように春風に笑っているよ

という意味合いです。

なんでもこの詩を詠んでこの家に置いていった後、気になって再び戻ってみると、老人が出てきて、娘はこの詩を見て悲しんで息絶えましたといい、驚いて亡骸に寄添うと、娘が生き返り、二人は末永く桃の花の下で幸せに暮らした、というお話だとか。

どちらもうら若き美しい娘と紅染むる桃の花。昔ながらの桃の花って結構濃い色合いなのです。今、よく目にするのは、品種改良されたり、花桃といわれる種類で色が薄めになっています。

鵞毛庵が住んでいたパリの中華街のプチ桃源郷の桃花(タオホワ)はそろそろ咲くかしら?今年はシベリア大寒波に襲われたようなので、まだまだでしょうか?

桃の花  パリ13区中華街の桃花

などなど思いをめぐらせながら、「桃の華」展用の作品の色合いをあれやこれや。

弥生女流展「桃の華」

ギャラリー華沙里

川崎市麻生区上麻生1-10-6-2F
最寄駅 小田急線 新百合ヶ丘 南口より徒歩5分
2012年3月1日(木)〜3月13日(火)
11:00am 〜 6:00pm (最終日5:00pmまで/水曜休)

桃の花
投稿日 2012年02月20日 2:04:39
最終更新日 2012年02月20日 2:08:36
修正