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2011年01月01日
年頭のご挨拶まで
カテゴリ : [案内望遠鏡]
恭頌新禧

年頭のご挨拶まで

室町期以降の幕府、大名家に於いての新年行事に謡初め (うたいぞめ) があった。
能役者の大事な勤めで、「うたひはじめ」とも呼んだようだ。
当初は室町幕府での新年酒宴に出仕して 祝言の謡をちょっと謡う程度であったものが、
だんだんと儀式化していったという訳である。
江戸時代になると 徳川家のしきたりが土台となった形式だったようで、
家綱の生母が没するまでは正月二日、それ以後は三日に行われたようだ。
能役者、といっても出仕の中心は観世太夫なのだが、謡う姿勢も平伏したまま、拝領の時服で舞うなどの
特有の決まりごとがあったらしい。
謡初めの謡が終わると 将軍を筆頭に、各大名が自ら着ていた肩衣を脱ぎ与えるという儀式が
あったというからなかなかのパーフォーマンスである。
もっとも、毎年、毎年、そんなに大勢から肩衣ばかり賜ってもと ご心配の向きもあろうが、
それらは後日 金子、つまり 現金と交換される慣習だったという。
そんな 謡い初めの行事は宮中や寺社などでも行われていたようだが、形式は兎も角 
謡、詠、歌、唄、となんでも 年初にはじめて声を出せば 謡初め である。
せいぜい大きな声で … 年の初めに それぞれの謡初めを!
辛卯の春を寿ぎ 能楽さんぽでの本年も相変らぬ御付合いを願い上げ候と御挨拶の三余堂、 
                            さてさて 謡初めの前にはしっかり おせちに御雑煮と…









投稿日 2011年01月01日 0:20:14
最終更新日 2011年01月01日 0:20:14
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