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2014年03月20日


        no subject
投稿日 2014年04月01日 13:09:28
最終更新日 2014年04月01日 13:09:35
修正
2014年03月12日
カテゴリ : [三余堂月次]
号を青蓮居士と云った詩人がいた。その名は李白。
出自は諸説紛々ながら、どうも御先祖は西域の人で、漢民族ではなかったらしい。
もっとも李白自身はパンダの故郷、四川、蜀で育った。
同時代の杜甫と共に最高の詩人とされ、後世には「詩仙」と称された人だが、
山に隠棲したり、道士の修行をしたり、25歳あたりからの10数年の間は長江下流域を中心に、
各地を放浪したそうである。
その後 家族を持ち、なんだかんだの末、42歳の時に李白は宮廷詩人として玄宗に仕える。
詩才を見込まれての3年間、李白は朝廷で詩歌を作り、詔勅の起草などをした。

盛唐以降、牡丹が花の王としてことに珍重されるようになったという。
もともと薬用として利用されていたようだが、その華やかさが玄宗のお気に召したのか、
宮廷としていた興慶宮にあった沈香亭の前には 種々、色とりどりの牡丹が植えられたそうだ。
勿論、ぼたんの鑑賞会、花見の宴開催は必須。
で、管弦にのせて、お気に入りの楊貴妃を称える歌を奏さなくてはなるまい。
李白はお召をうけて、ぱっぱっと三首。 楊貴妃の美しさを牡丹の花に例えた「清平調詞」を作る。
これを当時の名楽人、李亀年に歌わせたとか、奏させたとか。
この時、玄宗が玉笛で曲にあわせ、楊貴妃は葡萄酒を飲みながらそれに聞き入ったと…
さすが文化人の玄宗皇帝。後世の作り話にしても、さもありなん…

清平調詞 其の一
雲想衣裳花想容      雲には衣裳を想い 花には容を想う
春風拂檻露華濃      春風 檻を払って 露華濃やかなり
若非羣玉山頭見      もし群玉山頭に見るにあらずんば
會向瑤臺月下逢      かならず瑶台月下に向かって逢わん

清平調詞 其の二
一枝濃艷露凝香      一枝の濃艶 露 香りを凝らす
雲雨巫山枉斷腸      雲雨 巫山 枉げて断腸
借問漢宮誰得似      借問す 漢宮 誰か似るを得ん
可憐飛燕倚新粧      可憐の飛燕 新粧に倚る

清平調詞 其の三
名花傾國兩相歡      名花 傾国 ふたつながら相歓ぶ
常得君王帶笑看      常に得たり君王の笑いを帯びて看るを
解釋春風無限恨      解釈す 春風 無限の恨みを
沈香亭北倚闌干      沈香亭北 闌干に倚る

丹精込めて育てたのだろう、牡丹の花と自分好みの佳人。その姿を玄宗は満足に眺めて
春の風に季節を感じ、思い悩みも晴れるってわけか。

「清平調詞」 きよきひょうじょうのうた でなく、せいへいちょうしとルビが振られている。
清平調は今ではどのようなものだか不明だそうだ。
鉦鼓管弦が澄み渡るような平調の音律を奏で、歌ったのだろうか。
平調は唐楽での調べで、平調(ひょうじょう)という音を基としたものをいい、雅楽では秋の調子
とされているもので、ホ短調に当たる。 
牡丹の華やかさに相応しい調子とも思われない。尤も、花は秋にも咲くし、寒牡丹というのもある。
が、春を愛でているのだから別物だろうか…
蛇足ながら 能でも、盤渉調、黄鐘調、特別な物には平調と、雅楽の調子が登場。
兎も角、どんな調子であれ、春風の香りと想い、牡丹と楊貴妃の華やかさを
李白は七言絶句の言葉で伝えた。
同じ牡丹ながら、三余堂は彼岸の「牡丹餅」(ぼたもち)。  まもなく春の彼岸である。 







投稿日 2014年03月19日 12:59:58
最終更新日 2014年03月19日 13:00:36
修正
2014年03月01日
カテゴリ : [案内望遠鏡]
三月になって春の香りが満ちる時期である。
四月からの消費税引き上げの為 今年は雛人形の販売と共に
五月の節句にも向けてせっせと準備が始まっていた。兜やら鯉幟やらの姿が消え しばらくすると
六月は梅雨で これからの季節を迎え討つ覚悟を強いられる。
七月の七夕は短冊に猛暑から救い給え!と願いを込め、スーパーの大きな笹にくくりつける。
八月はひたすら ガリガリ君の活躍。
九月は 菊見もさることながら 食用菊の“もってのほか”登場。
その後の街中はハロウィンだクリスマスだと 洋物節句商戦で忙しい… 。


日本の暦の一つである節句は宮中で節会と呼ばれる宴を催していた。
それを 江戸幕府が公的な行事としたということらしい。
人日の節句、上巳の節句、端午の節句、七夕の節句、重陽の節句の五節句である。
季節の節目となる日ということだ。
正月の“おせち料理” も季節の節目の節句料理からきていてるのだ。
ちなみに 一月七日 七草の節句で 『人日 ジンジツ』。
三月三日 桃の節句で 『上巳 ジョウシ』、つまり雛祭の日。
五月五日が 菖蒲の節句で 『端午 タンゴ』の節句である。
七月七日は たなばたで、『七夕 シチセキ』。
九月九日は 『重陽 チョウヨウ』の節句、菊の花で埋め尽くされる菊の節句となる。


今日あたりから大きな声で まつりだっ祭りだっ〜 ひなまつりだよぉ〜っと お兄さんが
叫びながら 蛤やら、タイの刺身やら菜の花を売りまくるのがスーパー。
それらをじぃっーと 見入って結局、綺麗に飾られた出来あいの五目寿司を手にする。
それはもっぱら年配の男性の姿である。 ひな祭りは ターゲットの広い商戦なのだ。



節句
こんな感じのお雛様も…











投稿日 2014年03月01日 10:37:35
最終更新日 2014年03月01日 10:37:47
修正