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2013年09月20日
昨夜の中秋の名月は皆様愛でられたでしょうか。今年は十五夜と満月がめずらしく一致した年だとか。

日中はまだまだ暑いものの、朝晩はすっかり秋らしくなってきました。暑さ寒さも彼岸までの言い伝えの通りのようです。 フランスの季節のことわざにも、

聖ユスタッシュ(9月20日)の白露はぶどうを熟す
Gelée blanche de Saint Eustache grossit le raisin qui tache
というのがあります。

やっと秋

9月20日は聖ユスタッシュの日で、昔の暦ではこの時期、朝晩冷え込み、たっぷりの朝露がブドウをさらに大きくして熟すようです。
夏が暑いとブドウは良作で、さらに冷え込んで朝露を纏うとさらに美味しくなるのでしょう。



今夏の猛暑で山梨のブドウは美味しい。甲州ワインもおいしいのができるのかな。。。。
投稿日 2013年09月20日 22:50:22
最終更新日 2013年09月20日 22:50:22
修正
2013年09月12日
カテゴリ : [三余堂月次]
九月案内望遠鏡は自生の桔梗に お目もじ叶わずと結んだが、 
この言葉 “ おめもじ ”はそもそも、女房言葉で御所に仕える女房が使い始めた
仲間内での言い回しである。 職業と結びついた業界用語とでも云おうか。
室町初期ごろから使われたようで、丁寧な言い方として言葉の頭に “お”をつけたり、
語末に“もじ”を付けて 物の言い方が穏やかで角が立たない様にしたわけである。
内裏の中で 挽き目鉤鼻女房たちが 袖口で口を覆いながら おほほほほ… と
優美で上品な言葉を 使ったということであろうか。
後には 将軍家に仕える侍女、大名、武家、町家の女性へ、さらには男性へもと広まった。

   『今日の御采はおかべにおかかをかけて、おみおつけの身はひともじか。

早い話が 今日のおかずは冷奴に削り節がかかって、長ネギの味噌汁ってこと。
おみ御付け、おみ足、おみ御手、おみ帯、と “おみ” も女房言葉で、
丁寧な接頭語 “お” のおなかも、おならもしかり。結構、普段の生活に馴染んでいる。

圧倒的に食に関しての言葉が今も生きていて、おしゃもじ、おすもじ、
おこわに おじやに おからに おでん。
まだ真夏日になる昨今ながら、コンビニでおでんのセールをしていた。
なかなかの人気で、レジ傍の鍋でいい匂いを放つ。で、ついで買いを誘う。
おでんは本来、串挿しにした豆腐などに味噌を付けて焼いたもの意で、田楽焼きを指す。
が、焼かずに煮て調理する煮込み田楽が普及。 今や煮込み田楽がおでんとなった。
美味しいおでんの季節は確実にそこまでやって来ている。
ところでこの “おいしい” も女房言葉。
“いし”という古語、好ましいとか、優れるという意味の形容詞に、接頭語の“お”が付いて
“おいし”となった。 味の良さを丁寧に言おうと、“おいしい”という言葉ができたと云われる。
       『 はい、このおでん、大変に おいしゅうございます〜 』
            『 おすもじも 結構な時季になりました… 』









 


投稿日 2013年09月13日 0:38:48
最終更新日 2013年09月13日 0:38:48
修正
2013年09月01日
カテゴリ : [案内望遠鏡]
『 秋の野に 咲きたる花を 指折りかき数ふれば 七種の花 』 と山上憶良が詠んだという。
八月も半ばを過ぎると 高原は空高く 秋の様相を呈してくるものだが、昨今の陽気では如何なものか。
そうは云えども ススキの穂が出始めて 野の花が咲きだすのだから 不思議というか、有難い。
山上憶良は『 萩の花 尾花 葛花 瞿麦の花 姫部志また藤袴 朝貌の花 』と旋頭歌にも読み、
これが基となって秋の七草なのだと聞いたことがある。
春の七草は緑鮮やかに 健康食品そのもののような感がなくもない。
が、秋の七草は しっとりと歌の題材として構えている。 
萩の花(はぎのはな)  尾花(おばな) 葛花(くずばな) 瞿麦の花(なでしこのはな)
姫部志(をみなへし)  また藤袴(ふじばかま) 朝貌の花(あさがおのはな) 

萩はマメ科の薄紅色の花で 尾花はススキ。 葛は丈夫な蔓が籠にもなるし、その繊維は布にもなる。
なんといっても 根っこは葛粉になるマメ科の花。
普段 撫子と書いているなでしこは、夏から秋に渡って花が咲くこまかな黄色の花。
姫部志は女郎花のことで 藤袴はキク科で芳香がある。
8月三余堂月次で美しい〈玉鬘〉が登場したが、源氏物語で 夕霧は玉鬘に藤袴を差し出して
『 おなじ野の 露にやつるゝ藤袴 あはれはかけよ かことばかりも 』とか何とか言って… 
最後の朝貌の花。朝顔、木槿(むくげ)、桔梗、昼顔など諸説紛々。が、生薬の桔梗とのお説が有力。
所謂 本種という園芸用でないのは絶滅危惧に瀕しているというから めったにお目もじ叶わず。

三余堂の朝貌の花は 恐れ入谷の鬼子母神境内から嫁入りの花で 
                    厳選された花が種作りのためにこれから 最後のご奉公の由。

        秋の七草

   まだまだ蕾が 秋の七草
















投稿日 2013年09月01日 15:52:56
最終更新日 2013年09月01日 15:53:51
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