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2009年08月01日
カテゴリ : [案内望遠鏡]
近年の夏は 急激な天候の変化に過ごし辛く、思いもよらない災害に巻き込まれる。
ご苦労されている地域の方々に、お見舞い申し上げ、一刻も早い回復を願うばかりである。



今月の災害記事 暑中お見舞い


なんとも遣る方なき様相、暦の上では一週間もすると秋になり、残暑を見舞う。
まだ 梅雨も明けやらぬ 処が多い中、暦の上では秋が来る。
立秋に至って 梅雨明けが無い時、梅雨明けなし ということらしいが。

暦は、時の流れを年、月、日といった単位に当てはめたものだ。
また それを記した暦表、カレンダーも暦と云っている。
月齢、日の出、日の入り、月の出、月の入りの時刻、汐の干満、行事、吉凶を記したものも暦。
七月三余堂月次・準備中のヒトコマ でも触れたが 処変れば 暦変わるで興味がつきない。
どちらも 気候、土地、生活、習慣、宗教 による 文化そのものの反映だ。
今日は何の日 が 大好きなのは日本人ばかりだろうか。
記念日の無い日はナイ!のである。


嘉吉3年 秋立つ頃、8月8日は 能の祖とされる世阿弥元清が没した日ということになっている。
西暦でいうと 1443年。
播磨守護であった赤松満祐が、将軍足利義教を自邸に招いて殺害した
という 嘉吉の乱は1441年。
赤松満祐は 能を催し、そこへ将軍を招いての事だという話もある。 
芝居がかった設定とは言え、あながち無いとは云えぬ。
面をかけたシテの大夫。 が その実は…  手にする長刀振り廻し、狙うは将軍 足利義教 なりィ !
千恵蔵、はたまた歌右衛門の刺客が顔を出す…  東映時代劇の一シーンじゃぁ あるまいし。
当時の能の姿は どのようなものであったか、将軍家は 代々能がお気に入りだった。
その時すでに、世阿弥は佐渡に流されて6、7年を経過していた。 


世阿弥は室町時代、将軍足利義満 の特別な庇護により、能を大成し、作品や能楽論書を著した。   
晩年、後援者の足利義満没後は 台頭する次の世代、音阿弥元重に人気を奪われ
佐渡へ流されるなど と不遇であったが、詳細は不明のようである。
しかし、世阿弥の残した風姿花伝等の20を越える芸道理論書、
高砂、井筒、砧、融などの人気現行曲は めんめんと引き継がれて今日に至っている。
近年解説つきの番組、要するにプログラムに 世阿弥作と ことさら書かれることもあるが、
番組に 作者を記す習慣はない。

作者の名は見当たらない能の番組 暑中お見舞い



寺社仏閣、全国各地を巡り 果てに遠流となった 芸人集団の統領 世阿弥。
古今東西 そんな人物の役目は如何に! まぁ これも東映時代劇かっ。
世阿弥は時代背景を手繰ると 誠に興味をそそられる人物である 。
まずまず この立秋は森羅万象穏やかなることを願って  流された佐渡の方へ向って 遥拝!
投稿日 2009年08月12日 7:34:32
最終更新日 2009年08月12日 7:34:34
修正
2009年08月20日
  昨年7月には夏の風物として納涼でお化けのお話をした鵞毛庵ですが、今年は別の風物で、蝉。

  朝から夜遅くまで、ミンミン、じりじりと賑やかな蝉。この声を聞くと、ああ夏だァと暑さが増すものの、なんだかうれしい。

  と、いうのは、長年住み暮らしたフランスでは、南にくだらないと蝉が生息していないのでパリでは全く馴染みがなく、夏=蝉という方程式が成り立たちません。

  南仏に夏のヴァカンスで行った際には蝉の声がたっぷり聞けて一人ではしゃいで友人達に変な顔されたこともありました。蝉は南仏のプロヴァンス地方では夏の太陽いっぱいで幸せのシンボルとして置物や布のモチーフに使われているのに、普通のフランス人にとってはただの騒音で馴染みのない昆虫なのです


              夏といえば   と題して  夏といえば   と題して                    
                   Une douce brise s'élève du chant des cigales
                        La plume d’oie©鵞毛庵 2002   

                画像はクリックすると大きくなります。              

 花鳥風月シリーズとして2002年に書いた作品から「そよ風は蝉の声より起る哉」という小林一茶の句。芭蕉の句「閑さや巖にしみ入る蝉の声」も好きだけど、この一茶の句の閑かさも好き。

 しかし、ベランダのコンクリートの壁に鎮座して長いこと鳴かれると、ちと、うるさすぎるぞォ〜〜〜ッ、と、気分は仏蘭西人に。


夏といえば   と題して
投稿日 2009年08月20日 21:04:00
最終更新日 2009年08月20日 21:11:32
修正