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2006年11月01日
カテゴリ : [案内望遠鏡]
主望遠鏡と平行に、視野広く対象星を追跡し易くするためにある望遠鏡を案内望遠鏡という。 などと
言うとさも天体小僧のようである。子供の情操教育に託けて家庭用の天体望遠鏡を購入し 三余堂の前の公道に堂々と三脚を立て、夜空を見たのは何年前のことか。

閑話休題 この深まり行く秋の夜をどのように過ごすか。 一杯飲んで早めに寝ちまうとその日のうちに目が覚める。星を眺めるにはちとさぶい。 夜中のテレビは……。 ラジオ深夜便ほどの歳でもない?  
そんなときのお薦めはやはり 読書であろう。気楽で面白く、何年も手元に置く本を引っ張り出す。

高木彬光/著 成吉思汗の秘密 30年近く手元に持つ本である。
高木彬光/著 成吉思汗の秘密  角川文庫・光文社文庫 
昨年は大河ドラマの影響か義経ブームで本屋でも随分見かけたが、出版社も替わっていた。
今年は大モンゴル建国800周年で、モンゴル政府主催の記念行事や便乗イベント、ツアーなど目についた。日本人の大好きな義経は遠く大陸モンゴルの地で生きるのである。
そんなことを 興味深く読ませてくれる。今月は義経と静御前の別れ、義経が海上で知盛の霊を祈り
鎮める様を題材にした船弁慶が上演される月でもある。



秋の夜長には成吉思汗    
 (C)鵞毛庵  大山祇神社所蔵の源義経奉納「国宝赤絲威鎧・大袖」 を想い起して
観世九皐会11月定例会「船弁慶」
観世九皐会 http://www.kanze.com
投稿日 2006年12月01日 13:01:04
最終更新日 2006年12月01日 13:01:12
修正
2006年11月20日
鵞毛庵の制作の題材が「能」なので、色合いは装束や内容からイメージすることが殆どである。 従って、日本画の顔彩を使用することが多い。

先日、三余堂がしげしげと何色か揃っている顔彩の箱を眺めているので、西洋と日本では色合いが違うために用途によって顔彩を使い分けている旨説明した。

  「じゃあ、瓶覗きは?」

さすがに三余堂である。
 ちょいといいとこついてくるじゃありませんかねぇ。

残念ながら「瓶覗き」は持っていなかった。

日本の色には本当に面白い名前が多い。その中でもこの「瓶覗き」はすこぶるカッコいい。
別名「白殺し」ともいうらしい。

どんな色かというと、極々薄い水色。藍染の瓶に布をさっと通して染めた色である。白では場合によってはきついので、藍をほんのり染めて、白を殺すのである。歌舞伎の浅葱幕よりももっともっと薄い水色。

水色系を取り入れたいと思うと、いつも「瓶覗き」を一番に頭に描くけれど、決して成功したことがなく、別の色を使う庵主である。




               秋乃水
                       「江口」より  秋乃水 漲(みなぎ)り落ちて 去るふねの
                    Sur les eaux de l’automne qui se gonflent et retombent, la barque fuit

                                (c)鵞毛庵 La plume d'oie

「秋の水」というと、澄み渡って冷ややかな水を指し、俳句では秋の季語になっている。川や湖水ならば紅葉が水面に映っているのだ。
秋乃水 同じく「江口」より (c)鵞毛庵 La plume d'oie


日本のなんとも表現しがたい色合いのひとつ。
投稿日 2006年12月04日 6:19:07
最終更新日 2006年12月11日 8:17:29
修正