http://nogakusanpo.maya-g.com
記事移動
2013年08月19日
涼しい時期に作ろうと思いつつも、いつも暑い時になってしまうインク作り。今年も酸化鉄のインクを作りました。暑い中、ぐつぐつと五倍子を煮詰めること1時間。

このインクはワインのように長いこと寝かせると熟成してどんどんいい具合になります。

寝かせると好いもの

ワインといえばフランスではそろそろブドウの収穫期。その収穫作業は昔は夏休みの学生アルバイトとして有名でしたが、昨今は収穫も機械化されてそんなに人手はいらないとか。
フランスもこの夏の途中から猛暑になった様子。ということは、今年のワインは結構イケルかもしれません。そして涼しくなって雨が続いたりすると尚よろしいそうな。


寝かせると好いもの

 Septembre humide pas de tonneau vide
 9月の湿り気は樽を空にしない

この作品の文字は酸化鉄のインクで書いています。
これ以外の9月、10月、11月のことわざを書いたミニ作品や世阿弥の風姿花伝のシリーズなど数点を26日(月)から銀座のあかね画廊で開かれる「虹色パレット展」に出品致します。



寝かせると好いもの
投稿日 2013年08月20日 0:13:06
最終更新日 2013年08月20日 0:18:33
修正
2013年07月20日
フランスの諺に 7月の太陽は富をもたらす というのがあります。

今年の日本の猛暑続きにうんざりの方も多いことかと思いますが、こう照り付けて暑いと、豊作よりも水不足が心配に。かといって、日が当たらなければ作物は育たず。痛し痒しといったところでしょうか。

そして、もうひとつ、 聖ドミニコの日に太陽の日差しが強くとも文句を言うな という諺もあります。聖ドミニコの日は8月4日にあたり、暑くたってなんだって、太陽の恵みには感謝せねばならないということなのでしょう。

         
                    
 (c)La plume d'oie2013  夏の太陽


そして 9月に雨の湿り気がもたらされると、樽が空になることはない つまり、ワイン用のブドウが豊作で樽にはワインがいっぱい!ということです。

今月の23日(火)から 巴里祭に寄せたアート展 夏の詩 に参加し、上記ことわざの作品のほか、風姿花伝や巴里の標語「たゆたえど沈まず fluctuat nec mergitur などのミニ作品を多数展示いたします。 



巴里祭に寄せたアート展 夏の詩

夏の太陽

7月23日(火)〜29日(月)
神楽坂セッションハウスガーデン

12:00〜19:00 最終日は17:00まで

27日(土) 18:00からパーティー
       19:00から ジャズ&ボサノヴァ ミニライヴ
         ライヴにはドリンクチャージ¥700
その他、ワークショップ等 いろいろ企画しています。
詳細はこちらへ。

毎日在廊を予定しています。
7月の太陽が照りつけることと思います。お出かけの際は熱中症にはじゅうぶんお気をつけください。
投稿日 2013年07月20日 0:04:33
最終更新日 2013年07月20日 0:05:51
修正
2013年06月21日
  先日、国立新美術館に「一角獣と貴婦人」展を見に行き、6枚のタピスリーと再会しました。パリのクリュニー美術館(中世美術館)の所蔵で、他所に貸し出されるのは非常にめずらしいことです。今回はタピスリーを修復したこと、美術館を改装中ということで、特別貸出と相成った様子。まさか東京で再会できるとは!

  この6枚連作のタピスリーはデザインはパリでなされたとされていますが、実際に織られたのはフランドル、つまり、北フランスからベルギーあたりで、その特徴のひとつである細かな草花文様が特徴。写本装飾とちがって実物にかなり近い姿で描かれていています。日本語では千花文様と呼んでいるようですが、とにかく沢山の花が登場します。40種類は確認されているとか。その名の一部を揚げると、オダマキ、ジキタリス、マーガレット、スミレやパンジー、ツルニチソウ、ハナダイコン、豆科の花などなど。オダマキというと、静御前の「しずやしず しずの苧環...」を思い浮かべてしまう鵞毛庵ですが、品種には西洋種もあり確かに今頃の時期に森など散歩すると咲いていたような。ソラマメはどんな土地でも育つことから豊饒のシンボルとされていたので、ここに登場するのも納得。などと、あれやこれや思いを巡らしました。

  少し前に東京の道端にはハナダイコンが咲乱れ、スミレやパンジーもあちこち見かけて、1500年頃のタピスリーに描かれた花の一部が今、ここにも沢山咲いている!となんだかワクワクも。

花いろいろ

  今回の展示では某TV局制作のデジタル資料がとてもよくできています。それにはちょっと劣りますが、こちらをご参考までに。


もうひとつこちらはクリュニー美術館制作のビデオです。 

 この記事のUPをお待たせしている間に掲載した画像は1900年ごろフランスで刊行された花の図案集にある夕顔とおぼしきもの。扇や能装束に描かれている夕顔に似ているとも似ていないとも。花の姿はいろいろということで。

               花いろいろ
                能[夕顔」より 山の端の心も知らで行く月の... (c)La plume d'oie 2013

7月は三余堂こと五木田三郎が「夕顔」をつとめます。
投稿日 2013年06月21日 12:10:16
最終更新日 2013年06月21日 12:10:16
修正
2013年06月20日
ただ今編集中につき、しばらくお待ちください!

no subject
投稿日 2013年06月20日 0:01:38
最終更新日 2013年06月20日 0:02:51
修正
2013年05月20日
   物を切って細かくする、彫る、記憶にとどめる、入れ墨をする、切って跡をつける、細かく区切って進行する(時を刻む)、の他、責め苦しむなどの意味のある「刻む」。

   先回の三余堂の記事の「ハンコ」も文字を刻んであるもので、その多くに篆書を用いるために篆刻と呼ばれています。

   鵞毛庵が最近よく作品に取り入れている蝋画も、蝋を薄く引いたところに軽く彫って跡をつけるということから、北浦和のアートプレイスKで催される「なめらかに刻む」展に出展します。


刻む


「なめらかに刻む」展

2013年5月24日(金)〜6月1日(土)
11:00〜18:00 土日は13:00〜19:00  最終日は17:00まで
29日(水)、30日(木)休廊
於 アートプレイスK

銅版画、蝋画、絵画など、「刻む」作家7人でのグループ展です。

  世阿弥生誕650年を記念しての「風姿花伝」のカリグラフィー作品のほかに、日本初公開中のフランスのタピスリー「貴婦人と一角獣」から題材を得た「五感」の新作を展示いたします。どれもすべて蝋画作品です。蝋画については鵞毛庵を蝋画への扉に誘って下さった荻野哲哉氏のブログ にて。  1月には私のことも取り上げて下さいました。今回の展示もご一緒します。

刻む  5 sens  五感


  人間には五感という感覚機能のほかに、第六感と呼ばれるインスピレーションや直感、霊感などがあります。

  乳母の見舞いに行った際に、ひなびた隣家の夕顔の花をみかけて、姿を見ずともなんとなくそこの女主人が気になってしまった光源氏。なんとなく何かを感じるというのも第六感のひとつかもしれません。


さて、その夕顔を、三余堂こと五木田三郎が7月の観世九皐会定例会で勤めますので ご高覧賜りたく御案内申し上げます。

まだ多少お席をご用意できるかと思いますので是非ご予定にお加え下さい。

7月14日(日)  観世九皐会定例会  13:00〜
        於 矢来能楽堂
 
                  
『夕顔』 五木田三郎
      ワキ 工藤和哉  
           笛 一噌隆之  小鼓 大倉源次郎  大鼓  柿原弘和
                        
    他  能 『阿漕』、 仕舞、 
        狂言 『口真似』 山本泰太郎 山本則重ほか

 正面 ¥6,000   脇正面・中正面 ¥5.000 〈 全席指定 〉

お申込は ご連絡先、チケットお届け先住所、ご希望枚数を添えて
ブログの右上の「メール」に件名「夕顔 さんぽ」でお申込ください。 こちらからチケットをご予約頂いた方にはもれなく鵞毛庵より小さな特典をご用意いたします。


投稿日 2013年05月22日 1:35:12
最終更新日 2013年05月22日 19:12:42
修正
2013年04月20日
毎年恒例になっている蔵書票展が今年もやってきました。17日から5月2日まで小手指のギャラリーUSHINで開催されています。BOOK EXHIBITION カリグラファーと銅版画家からの紙片 と 題し、毎年ご一緒している銅版画家の大野加奈さんとの二人展です。和とじ袖珍本「風姿花伝」カリグラフィー作品集やブックカバーなども合わせて出展し、お買い上げ頂いた蔵書票にはカリグラフィーでの名入れも致します。


蔵書票は、今回は本にまつわる格言に中世の写本の装飾からのモチーフを加えたものを中心に、近日日本で初公開となるパリのクリュニー美術館所蔵の「貴婦人と一角獣」のタピスリー(タペストリーは英語)に着想を得た蔵書票も数枚加えました。

貴婦人と一角獣



この「貴婦人と一角獣」のタピスリーは鵞毛庵がパリに住み始めた当初から馴染み深いもので、クリュニー美術館には何度も足を運んだものです。 タピスリーは6枚のシリーズで、15世紀末ごろパリで下絵が描かれ、フランドル地方で織られたとされています。その内容は貴婦人が一角獣と獅子を従えて人間の五感を表す5枚と「私の唯一の望みに」と書かれた謎の6枚からなり、どれも草花や動物が細かく描かれています。6枚目がなぜ謎かというと、まず他の5枚に比べてサイズが大きいとか、何を意味するのかなど、さまざまな解釈がなされてきているからです。4月24日から7月15日まで、東京の国立新美術館で、その後は大阪で展示されます。特設サイトがありますのでこちらをご覧ください。

今から10年ほど前ですが、「真珠の耳飾の少女」という映画を覚えている方もおられるかと。この映画は同名の小説の映画化で、あのフェルメールの少女の肖像画から着想を得たアメリカの小説家トレイシー・シュヴァリエの作品なのですが、このシュヴァリエ女史は「貴婦人と一角獣」のタピスリーを題材にした小説も書いています。謎の多いタピスリーがどうやって出来上がっていったか、依頼主と若い絵師や周囲の人間模様、タピスリーの工房の様子などが描かれています。日本語訳もあるようですね。

5月末には別のグループ展に参加しますが、その時にはこのタピスリーを題材にした6枚の新作も予定しています。それはまた追って...
投稿日 2013年04月20日 1:59:12
最終更新日 2013年04月20日 1:59:12
修正
ただ今編集中につき、しばらくお待ち下さい。

no subject

EXLIBRIS 蔵書票 (c)La plume d'oie鵞毛庵
La lecture, une porte ouverte sur un monde enchanté

読書とは、魔法の国への開かれた扉である。(フランソワ・モリヤック)
モチーフは「貴婦人と一角獣」より着想
投稿日 2013年04月20日 0:37:48
最終更新日 2013年04月20日 2:01:40
修正
2013年03月20日
今月も季節の話題を。

その前に、先月の記事で暖かい春が待ち遠しいなどと書いた鵞毛庵ですが、花粉症のことは全く念頭になかったわけでして、あれから、例年に比べて非常に多いという今年の花粉にすっかりやられてしまっています。


                 復活祭

復活祭に雨が降ると麦がたわわになる  2013年版カレンダーの3月の諺

復活祭に因んだ諺で、これは恵の雨ですね。


復活祭とはキリストが十字架にかけられて亡くなった日から三日目に復活したことを記念するもので、キリスト教の典礼に於いては一番大切な祝日となっています。

この祝日はキリスト教では移動祝日とされていて、もともと太陰暦にしたがって決められた日であったため、太陽暦にすると年によって日付が変わることになります。グレゴリオ暦を用いるカトリックの教会では、復活祭は3月22日から4月25日の間のいずれかの日曜日で、春分の日の後の満月の次の日曜日と定められているので、今年は3月31日が復活祭になります。

キリスト教以前からあった春分の頃の民間行事などに由来していて、春なので再生の季節=復活ということなのでしょう。

復活祭のシンボルとして卵、ヒヨコ、多産ということからウサギなどが用いられ、フランスやベルギーでは鐘も大切なシンボルのひとつです。これは、復活祭の前のキリストの受難の間は教会では鐘を鳴らさないため、その時は教会の鐘がすべてローマへ行ってしまい、復活祭と共に空を飛んで戻ってくるという言い伝えがあるからです。


  復活祭

フランスではチョコレートを贈る慣わしもあり、今の時期になるとパン屋さんやお菓子屋さんには可愛い形のチョコレートがたくさん飾られます。


復活祭の頃には花粉症は少しはよくなっていることを願って。
        
                       復活祭
投稿日 2013年03月21日 1:08:38
最終更新日 2013年03月21日 1:08:38
修正
2013年02月20日
旧暦では今月10日に新年になったばかりなので、暦とそして四季のお話。

聞くところによると、最近七十二候が注目を浴びているふしが。
この七十二候は古代中国に由来し、季節や気候の変化を細かく分けたものですが、二十四節気のほうが比較的身近かもしれません。たとえば、つい先日の立春に始まり、春分、夏至、秋分、冬至などは今でも日常生活になじんでいるもの。これは一年を半月ごとに季節の変化を二十四に分けているものです。それをさらに5日ごとに区切って気象やそれに伴った動植物の変化などを表したものが七十二候なのです。時代と共に、日本の気候風土に合わせて少しづつ改訂されてきたそうで、読んでみるとなかなか面白いですが、そうかなァ?と思うようなものも。

参考までに、ちょうど今の時期にあたる2月19日頃より3月6日頃が二十四節気では「雨水(うすい)」で、七十二候では 土脉潤起 つちのしょううるおいおこる (雨が降って土が湿り気を含む)、 24日頃より 霞始靆 かすみはじめてたなびく (霞がたなびき始める) だそうな。

昨年暮にフランスの諺を書いた2013年版カレンダーを制作しましたが、それに用いた諺はフランスの農耕作業に関する四季折々の言い伝えの中から選びました。中世の写本の中にも必ず暦の章があり、月ごとの天体の位置や農作業の挿絵が施されていて、気候の変化と農耕と庶民の生活が密着していたのでしょう。

暦 
Les Très Riches Heures du duc de Berry
(ベリー公のいとも豪華なる時祷書:15世紀フランス)3月の暦 春耕の図 

このフランスの四季の諺と二十四節気や七十二候を読み比べてみたら、洋の東西の違いにも関わらず似たようなものを発見しました。

二十四節気の「雨水」の次は「啓蟄」ですが、これは春分までを指し、冬眠していた虫が穴から出てくることです。俳句の季語にも「蛇穴を出づ」というのもあります。そして七十二候は 蟄虫啓戸 すごもりむしとをひらく (冬ごもりの虫が出てくる)。

さて、これがフランスだとどうなるかといいますと、3月17日「聖パトリス(アイルランドの守護聖人である聖パトリック)の日が暖かいと、ザリガニが穴から出てくる」そうです。
今年の暦には復活祭の諺を書いたので、来年の3月にはこれを書こうかな。



2013年版カレンダーの2月は14日聖ヴァレンタインの日の諺。
聖ヴァランタン(ヴァレンタイン)の日の天気はその年の春の気候である。暦

さて、14日はどんなお天気だったか...


立春を過ぎてからのほうが寒さが厳しい東京。「すごもりむし」状態の方も多いかと。暖かい春が待ち遠しいです。
投稿日 2013年02月22日 1:17:26
最終更新日 2013年02月22日 1:17:26
修正
2013年01月20日
   ヨーロッパの中世の写本によく登場するアラベスク文様は、いわゆる唐草文様の西洋スタイル。その葉はアカンサスというアザミ科の植物をデザインしたもので、今までも何回か能楽さんぽの記事にも登場しています。モデルはアカンサスといっても、次第になんだかすっかり違う姿になっていて、鵞毛庵の家の近所のアカンサスを見るたびに、これがどうしてああなるのかァ?などと思ったりも。特に花はまったく違った、と思うのは現代人の目で、何百年も前の人にはそう見えたのかなァ。。。とも。

アラベスク・唐草・唐花  (c)La plume d'oie 2013 
人の心に思ひも寄らぬ感を催す手立、これ、花なり    
世阿弥「風姿花伝」より
画像はクリックすると大きくなります。

   カリグラフィー作品のモチーフにとフランスやイタリアの写本から装飾を取り出してみると、すっかりこちらの唐草文様のようにも見えてしまい、案外違和感がないような。能装束から唐花をモチーフにしても、同様、フランス語の作品にすんなりマッチしてしまいました。


(c)La plume d'oie 2013
人人(にんにん)心心(こころごころ)の花なり 
世阿弥「風姿花伝」より                             アラベスク・唐草・唐花


   今年は観阿弥生誕680年、世阿弥生誕650年にあたり、新たに「風姿花伝」のフランス語訳を基にしたカリグラフィー作品を制作しています。 そのうちの小作品を何点か「大きな夢・小さな絵展」に出展いたします。


大きな夢・小さな絵展アラベスク・唐草・唐花

2013年1月24日(木)〜2月3日(日)
12:00〜19:00 最終日は17:00まで
神楽坂セッションハウスガーデン

画像はクリックすると大きくなります。

*大きな夢・小さな夢 は 間違いで、大きな夢・小さな絵が正しい展覧会名です。
投稿日 2013年01月20日 1:34:58
最終更新日 2013年01月20日 1:34:58
修正
2012年12月20日
時節がらサンタクロースのことなど。

  4世紀頃のミラ(現在のトルコ内)というところの司教だった聖ニコラウスという人がサンタクロースの起源とされています。ラテン語ではニコラウス、フランス語などだとニコラ、ロシア語ではニコライと呼びます。

  この聖ニコラは三人の娘を貧困のあまり嫁がせることの出来ない家の存在を知り、真夜中にその家の煙突から金貨を投げ入れたという言い伝えがあります。このとき暖炉に靴下が下げられていたので金貨は靴下の中に入り、そのおかげで娘たちは身売りしないで済んだという逸話も。夜中になると煙突から入って、靴下の中にプレゼントを入れるという、おなじみのサンタさんの言い伝えはこの逸話がもとになっています。

  また、オランダでは聖ニコラウスをシンタクラースと呼んで、14世紀頃から彼の命日である12月6日をシンタクラース祭として祝う習慣があり、それが後にアメリカへ移殖したオランダ人たちによってサンタクロースと伝えられ、ポピュラーになったのは19世紀になってからとか。

他に、北ヨーロッパを起源とする冬至の祭りに関連して、貧しい人達や子ども達に贈物を届ける神様などの伝承と合わさって、サンタさんが定着していきました。

   皆さんがサンタと聞いて思い浮かべる姿は、1931年にアメリカで行われたコカコーラの宣伝のイメージという俗説がありますが、白いひげを蓄えて赤い服を着ている姿は19世紀後半にはヨーロッパですでに定番だったようです。フランスなどでは一般化されたのは案外遅く、20世紀初頭、日本にも大正初年にはすでに登場しています。

   ヨーロッパの国々によって、その姿は民間伝承と合わさって少しづつ違いはありますが、子ども達にプレゼントを持ってきてくれるのはだいたいどこも一緒。

サンタクロースは英語でファーザー・クリスマスとも呼ばれ、フランス語でもペール・ノエル、パパ・ノエルと呼ぶのが一般的です。

   さて、フランス語の面白い文章を見つけたので、ご紹介しましょう。

男の人生には四つの年代がある: サンタを信じている年代、サンタを信じなくなった年代、自分がサンタになる年代、自分がサンタに似てくる年代。
         サンタクロース (c)La plume d'oie 2012



このブログの読者の男性の方々は、どの年代でしょうか?
投稿日 2012年12月21日 16:03:18
最終更新日 2012年12月21日 16:03:18
修正
ただ今準備中!

しばしお待ち下さい


          サンタさん
投稿日 2012年12月21日 14:14:08
最終更新日 2012年12月21日 14:14:08
修正
2012年11月20日
   この記事を準備している今日19日は、いかにも冬の到来を感じさせる冷え込みに、まだ寒さに慣れきっていないので着膨れ状態。

   日本はあちこち紅葉で綺麗な様子ですが、東京の街なかはやっと銀杏が色づき始めたところで、鵞毛庵はfacebookで友人達が掲載している写真をただただ眺めているばかりです。

   紅葉はやはり日本が一番! フランスだと今頃はなんだかどんより薄暗く、霧も濃くなる季節です。フランスの農作業に関する暦や諺には、11月は冬だぞォというものばかり。11月1日はカトリックでは諸聖人の大祝日とか万聖節とか呼ばれて、すべての聖人を祝う日なのですが、この日から冬支度が始まるという諺があります。そして、フランスではお墓参りをするのが慣わし。お供えの花は菊の鉢です。墓参り=菊の花という日本と偶然にも一緒なのですが、これは季節柄と、花の持ちが良いということから自然に菊ということだそうで、この時期は花屋さんの店頭にはずらっと菊の鉢植えが並びます。
    長年彼の地に住んでいた庵主の記憶では、11月1日頃は雨だったり曇っていてすごく寒い日のほうが多かったようです。だから、この日を境に本格的に冬になるという言い伝えは、そう間違ってはいないわけです。
    そして、19日は聖エリザベスの日で、この日に毛皮を纏うものはおろかではないと言い、21日に霧が深いとその冬は厳しい、23日の聖クレマンの日には、もし冬がゆっくり訪れたとしても、聖クレマンの日には必ずやってくる、との言い伝えがあります。今年の東京の気候になんだかぴったりかも。

   さて、12月1日から5日まで神楽坂のセッションハウスガーデンで今年も「ノエル展−クリスマスをご一緒に−」を開催します。


           いよいよ冬に


ノエル展 −クリスマスをご一緒に−

2012年12月1日(土)〜12月5日(水)
12:00〜19:00(最終日は17:00まで)


神楽坂 セッションハウスガーデン 

12月1日(土)は16:00からオープニングパーティー

今年は参加者15名、絵画、版画、切り絵、カリグラフィー、フラワーアート、キャンドル、型染め、フェルト、パッチワーク、ビーズなど、多彩なグループ展です。会期中、¥500のワンコインワークショップの他、デモンストレーションやタロット占いなど予定しています。皆さま、是非お出掛け下さい。


鵞毛庵はクリスマスや新年をテーマにした作品やカード、豆本などのほかに、フランスの諺のカレンダーを販売いたします


いよいよ冬に  
(c)2012La plume d'oie  
万聖節の日には寒さが帰ってきて、冬支度が始まる。
投稿日 2012年11月20日 0:22:45
最終更新日 2012年11月20日 0:22:45
修正
2012年10月20日
先日、ご近所の井草八幡宮で5年に一度の流鏑馬が行われました。この八幡様は源頼朝縁の神社で、奥州討伐の折に戦勝を祈願したとか。

流鏑馬神事は雨天だと中止になるので、実は10年ぶりでした。5年前は準備万端の様子から大雨で中止になったことを案内望遠鏡で書いています。

今年は予報では晴れなどと言っていたものの、雲行きあやしくなり心配しましたが無事に開始。大勢の見物客がみな、携帯、スマホ、カメラでパシャパシャ。空はだんだん薄暗くなるは、こんもり茂った神社の参道はもとから薄暗いは、そこで自然にフラッシュがぴかっ。「馬が驚きますから、フラッシュはたかないように」とのアナウンスが何度あってもなかなか止まず、そうこうするうちに、お馬さん、びっくりしてこけそうに。これ以上フラッシュが光るなら、撮影禁止にします!との声でやっとおさまりました。

流鏑馬が行われた参道は200mあり、的は三ヶ所。庵主は一の的のあたりにいましたが、あまりのスピードで目にも留まらぬ速さを実感。とてもそれは写真に撮れず、射終わってゆっくりと戻ってくる姿をば。

流鏑馬

さて、世の中はカボチャがいっぱい。そうです、もうすぐハロウィンです。カリグラフィーのレッスンでの欠かせないテーマのひとつ。今年もレッスンで新作のカードができあがりました。



      流鏑馬
投稿日 2012年10月20日 3:35:45
最終更新日 2012年10月20日 3:35:45
修正
2012年09月20日
あまり評判がよろしくないようですが...某局の大河ドラマ「平清盛」。

   鵞毛庵は評判とは関係なく、最近テレビ自体から遠ざかっていて数回しか見ていないのですが、たまに見ると顔色の悪いまだら塗りのお公家さんたちに薄汚い武将の面々で誰がどの方やら。(と、似たようなことを以前に三余堂も書いていたやも)
でもストーリーはお馴染みの平家物語。しかし、登場人物を網羅熟知するのは至難の業。

   能の曲目には平家が題材になっている曲がいくつかあり、武将の名前がそのまま曲名になっているものもあって名前だけはお馴染みなのですが、はてさて、この人誰だっけ?ということに。その度に系図を探して確認したり、ドラマをやっていれば誰が演じてるのやらとドラマの公式サイトで登場人物図などと照らし合わせてみたり。


平家のこの人って誰だっけ?La plume d’oie (c) 2010 能「盛久」

   平盛久はこれといった功名をたててはいないのですが、壇ノ浦の合戦の後に京都の清水寺を参詣した際に捕らえられて鎌倉へ。逃げてる途中でなんかのん気な話ですが、盛久は清水観音を厚く信仰していたそうな。そして由比ガ浜で処刑されることになるのですが、頸をはねようとすると太刀が折れてしまいます。これはきっと観音様の御加護かということで、死罪を免れたという逸話が残っています。それを題材にしたのが能「盛久」です。 

   能「盛久」では、平盛久は刑場に金泥の経典を携えるのですが、そこから光りが射して処刑人は思わず太刀を落とし、それが二つに折れてしまうという展開。

   今回の大河ドラマに登場するのかどうか知りませんが、盛久は盛国の息子なのです。その盛国は上川隆也が演じていますよォ。若い頃は鱸丸と称して、ちょっとカリブの海賊みたいなカッコして舟漕いでましたっけ。
投稿日 2012年09月20日 1:22:25
最終更新日 2012年09月20日 1:25:18
修正
2012年08月20日
夜遅くなっても蝉が鳴く暑さの続く中、しばしお付き合いのほどを。

今、上野の東京都美術館でフェルメールの「真珠の耳飾の少女」が公開されていますが、その耳にぶら下がっている真珠、とても大きいです。直径2cmぐらいだそうな。この絵が描かれたのは、フェルメールの没年などから、恐らく1665〜66年にかけてだろうと推定されています。

時を同じくして、フランスにジャン・ド・ラ・ブリュイエールというモラリストがおりました。モラリストというのはフランス特有の呼称で、17世紀頃から使われ始めたのですが、人間性や風俗習慣などを随想や格言で書き残している人達です。ラ・ブリィエールはその代表格なのですが、彼の格言のひとつに、「人間の分別に次いでこの世でもっとも稀なものといえば、それはダイヤモンドと真珠である」というのがあります。

分別、ゴミの分別ではありませんッ。ふんべつ、つまり、物の道理をわきまえていること、事の善悪や損得を心得ていること、仏教用語ではもろもろの事理を思量し、識別する心の働きのことをいい、要は思慮深いということ。それが17世紀フランスにおいて、すでに、というか当然ながらなのか、非常に難しいことであり、今もちっとも変わりないかと。

そして当時のフランス、おそらくヨーロッパにおいて、世の中で希少価値の高かったものがダイヤモンドと真珠であったのですね。これは今の時代では何に値するのでしょうか。

少女の耳飾の真珠、さぞ希少で高価だったでしょうが、直径2cmとなると今でも充分希少で高価ですね...

さて、この一節、今までも作品にしていますが、今回、蝋画の技法も取り入れて新作を書きました。
 

(c)La plume d'oie 2012      この世で希少なもの

Après l’esprit de discernement, ce qu’il y a au monde de plus rare, ce sont les diaments et les perles.
「人間の分別に次いでこの世でもっとも稀なものといえば、それはダイヤモンドと真珠である」
             −カラクテール・当世風俗誌より−


9月3日から銀座のあかね画廊でのグループ展「虹色Palette展 vol.2」に出展します。他にもラ・ブリュエールの格言などの小作品を展示予定です。


この世で希少なもの
虹色Palette展 vol.2  於 あかね画廊
2012年9月3日(月)〜9月9日(日)
11:00〜18:30 (初日13:00から、最終日17:00まで)

もしお時間ございましたらお運び下さいませ。
投稿日 2012年08月20日 0:06:02
最終更新日 2012年08月20日 0:11:44
修正
2012年07月20日
               ん?鵺の羽根ッ!?



いえいえ、そうではありません。

フランスから昨日やってきた鵞鳥の羽根です。空を飛んではきたのですが、羽根だけ。多分、御本体の方は食されてしまったのでは。そしてその肝臓は世界三大珍味のひとつである「フォアグラ」として、どこかの御仁の舌を喜ばせたかどうか...。

以前に筆記用具として使われていた葦のカラムのことを書きましたが、その後、ヨーロッパで筆記用具の主流となったのが羽根ペン。いつから使われ始めたのかはっきりしたことは判っていません。ただ、ロンドンのブリティッシュミューゼアムにある古代エジプトの絵画に書記が羽ペンを使用している絵があります。 鵞鳥の飼育自体は地中海沿岸地域ではめずらしいことではなく、古代ギリシャやローマ人たちも飼育していました。

恐らく、ローマ字の根源であるローマンキャピタルの発生、文字を書き残すためのパピルスが羊皮紙へと移行していったことなどと関係して羽根ペンの需要が増加していったのではと思われています。

9世紀ごろからアラビア人によって少しづつ使用され始めた金属の酸化作用をベースにしたインクが、酸化鉄とタンニンを合わせて作るゴールインクというものになり、12世紀にはヨーロッパに広がりました。このインクの導入が羽根ペンの使用を一般化したとされています。


ん?鵺の羽根ッ!?  
ん?鵺の羽根ッ!?  画像はクリックすると大きくなります。
     鳥の羽根なら何でもいいかというと、耐久性や柔軟性などから鵞鳥、白鳥などが一般的で、さらに風切り羽根という翼の先の羽根5本が適しています。この風切り羽根は自然に落ちることは無いので、地面に落ちている羽根では耐久性の面からいってペンには不向きです。あ、あそこによく落ちてるから拾って....というわけには残念ながらいきません。また、翼の左右で羽根のカーブが違うので、右利きには左の翼の羽根のほうが手になじみます。 この羽根の先を文字を書きやすいように削ってペンにするのですが、詳しい削り方はまたのお楽しみに!



ここでちょっと豆知識。「羽」と「羽根」の違いをご存知ですか?羽は翼のこと、羽根は羽から離れて一本づつになっているもの、英語ならウィングとフェザーの違いです。日本語では発音が同じなのでつい漢字を間違えがち。 

そして、La plume d’oieラ・プリュム・ドワこと鵞毛庵は、この鵞鳥の羽根ペンからきています。

鵞毛庵は今年の夏も日本カリグラフィースクールのサマーセミナーで羽根ペン講座を担当します。
投稿日 2012年07月20日 0:26:04
最終更新日 2012年07月20日 0:26:04
修正
2012年06月20日
またまた面白人物伝!次なる御仁はフランスは19世紀末から20世紀初頭にかけて、その名は恐らく世界中に知られているエッフェル塔のエッフェル。

   アレクサンドル・ギュスタヴ・エッフェル(Alexandre Gustave Eiffel)、1832年12月15日生まれ、1923年12月23日パリ市内の自宅で没。もともとはドイツ系で18世紀からフランスに移住、苗字もベニックハウゼン Bönickhausen といったそうですが、この名前がフランス人は読めない。そこでご先祖の出身地だったドイツのアイフェルEifel からとって Eiffelに、そして読み方もフランス流にエッフェルと正式に改名したのは1880年のこと。結構裕福な家庭に育ち、学業は化学系でしたが、縁あって鉄道関係の仕事につきます。当時のフランスは鉄道建設ラッシュ。大規模な鉄橋建設に携わって経験を積み、やがて独立してエッフェル社を設立します。

   ここで、パリ万博のパビリオン、駅舎、鉄橋など鉄骨を用いた建設を手がけ、ヨーロッパだけでなく中国や東南アジアにまで広範囲で活躍。その特徴は鉄骨の構造をむき出しにした大胆な巨大建築。そのひとつがエッフェル塔です。

   エッフェル塔は1889年にパリで開催された万国博覧会のためのモニュメントで、当時は賛否両論でしたが、万博後も取り壊すことなく、今日ではパリを代表するシンボルになりました。実はエッフェル自身は塔の設計は直接手がけておらず、エッフェル社が塔の建設を受注して建設したので彼の名が付いています。

   いつの時代も新しいものができると不評を買うもの。詩人で作家のモーパッサンはエッフェル塔建設中から抗議文を送ったりしたものの、いざ出来上がると、その中のレストランに足繁く通ったとされます。なぜならば...そこが唯一変な鉄の塔を見ないで済むところだったからだとか。

   もうひとつ誰もが知っているエッフェルによるものに、ニューヨークのシンボルである「自由の女神」像。ギュスト・バルトルディの彫刻を元に、鉄の骨組みに銅をかぶせたもので、1886年のアメリカ独立百周年にフランスが寄贈したものです。その返礼として、1889年のフランス革命百周年にはパリ在住のアメリカ人たちがレプリカを贈りセーヌ川にも女神がいます。これもエッフェルが手がけています。


                      エッフェルパリの自由の女神像
最近ではブロンズ製のフランス政府公認のレプリカがお台場にも!


   後にエッフェルはパナマ運河建設に関わるスキャンダルに巻き込まれましたが、晩年はエッフェル塔の4階に専用の研究室を設けて気象や天体観測、無線アンテナの設置、風の研究などにいそしみました。

   エッフェルは、鉄の固まりの塔が、万博で単なる人目を惹くためだけの無用の長物ではなく、あらゆる科学に役立ち、さらには国家防衛に役立つ研究機関の一端を担うものなのだということを、自ら示そうとしていたのです。

   1909年にはエッフェル型とよばれる風洞を造りました。人工的に風の流れを発生させて、実際の流れを再現してさまざまな実験をする装置で、現在はパリ市内の別の場所に移転しています。これは航空機の進歩に多大な役割を果たし現在に至っていますし、最終的には自ら航空機の設計も手がけるに至りました。

   1921年には、その研究のすべてを国に寄贈し、1923年に91歳で永眠。結構長生きですねェ。


元万博会場だったシャイヨ宮からみたエッフェル塔エッフェル


   毎年、7月14日のパリ祭にはエッフェル塔付近で花火が打ち上げられます。2009年のエッフェル塔での花火の様子はこちらで。

そのパリ祭に寄せてのアート展が7月10日から神楽坂で開催されます。鵞毛庵も参加します。庵主はエッフェル塔をモチーフにした作品をいっぱい準備中!

パリ祭に寄せたアート展 巴里の詩

7月10日(火)〜7月16日(月)12 :00〜19 :00

神楽坂セッションハウスガーデン

絵画、版画、カリグラフィー、キャンドル、フラワーアート、ガラスなど、日仏のさまざまなアーティストが展示いたします。
パリ祭当日7月14日16時からは小倉浩二氏によるシャンソンライブ(1ドリンク付¥3500)もありますので、どうぞお出かけ下さい。
投稿日 2012年06月20日 0:49:47
最終更新日 2012年06月20日 0:51:53
修正
2012年05月20日
今月25日(金)から蔵書票展第二段です。

題して


「書票をほどく展」


蔵書票 第二段

出展者:大野加奈 岡部いさく 五木田摩耶 高橋好美 野口恵子
2012年5月25日(金)〜6月2日(土)
アートプレイスK 
11:00〜18:00 土日13:00〜19:00
水・木休廊  最終日18:00まで

出展者による蔵書票のほか、版画やカリグラフィーなどの作品や書票協会収蔵の蔵書票も展示されます。
日本書票協会のサイトには蔵書票の歴史やら技法やら詳しく載っています。


蔵書票 第二段


世界で現存するものでは最古の蔵書票といわれているヨハネス・クナベンスベルグの蔵書票です。俗称「ハリネズミの蔵書票」といい、「もしもこの書物を返さなければ、ハリネズミがあなたにキスをする」という意味の文が書かれています。15世紀半ばの版画。


本はきちんと返せ!ということなのでしょうが、20世紀前半のフランスのを代表するノーベル賞作家のアナトール・フランスの言葉に次のようなものがあります。
「人には本を貸すな。借りた本は決して返さないものだ。」
と、ここまでは、ま、実際に貸した本がそのままだとか、借りたままだとかの経験にうなずいている方も多いかと。アナトール・フランスはさらに次のように続けています。
「私の本棚の唯一所持している書籍は、すべて借りたものである。」
アナトールの父はパリのルーヴル美術館近くの書店経営者だったと思いますけど...

鵞毛庵は3月に引き続き、ラ・フォンテーヌの寓話シリーズなど蔵書票EXLIBRISの原画と、新旧取り混ぜてカリグラフィーの作品を出展、また、蔵書票をお買いあげ頂いた方には、カリグラフィーでイニシャルやお名前をお入れします。



蔵書票 第二段


Liber mihi opus est 私には本が必要である。
EXLIBRIS  (c)La plume d’oie 2012

いつまでも手元に置いておきたい本の見返しに貼ってみませんか?そういう本は特に誰にも貸さないように...
投稿日 2012年05月20日 0:02:03
最終更新日 2012年05月20日 0:02:03
修正
2012年04月20日
   三余堂が唐代の書法やら古事記の写本やらの記事を書いていますが、時を同じくしてヨーロッパでは...。

   世界史が得意だった!という方には懐かしい響きやもしれません。そう、フランク王国の最初の王朝メロヴィングからカール大帝(フランスではシャルルマーニュといいます)のカロリング朝の頃。

   この西ヨーロッパの大部分を支配していたカール大帝(在位768-814)、カロリング朝ルネサンスという運動の中心人物でもあります。キリスト教に基づいて国を統治する目的で聖職者の質を高めるようにしたり、文化面では古典研究に力を注ぎ、だんだんと俗語化する傾向にあったラテン語を見直してラテン語教育にも力を注いだそうな。となると、聖書が重要になります。お勉強のためにあちこちの修道院から写本を取り寄せると、あらら、誤字脱字すっとばしのみならず、みんな書体がバラバラで読みづらいのなんの。

そこで困ったカール大帝は書体改革を思いついたのでした。

    ここで時を少し遡って5世紀。聖パトリックという人が、アイルランドにキリスト教を広めました。アイルランドからイングランドなどあちこちに修道院が建てられ、同時に導入されたラテン語の聖書の写本がすごく盛んになりました。先人のもたらした経典をこつこつ写すのは、洋の東西を問いません。

    特に7〜8世紀にかけて、ケルト文字やケルト風の幾何学や組紐模様、動物や奇獣をあしらった写本が数多く手がけられ、そのうちの数冊が現存しています。どういうわけかキリスト教を比較的すんなりと受け入れたアイルランド人は古来のケルト文化や民間信仰などうまく取り入れてキリスト教の聖書を書き上げていてます。日本ではちょうど遣唐使だ、古事記の編纂だ、東大寺の大仏開眼だのという時代のこと。



聖書の写本と書体の改革

ケルスの書  8世紀末 アイルランド 典礼用の四つの福音書が収められいる写本   本の宝石とも呼ばれている
最澄や空海が遣唐使として派遣された頃にはこのケルスの書が完成していました。
                        こんな風に誤字を修正も

                               聖書の写本と書体の改革

    
    やがて、このアイルランドなど北の方の修道院から優秀な学僧が多く輩出されて、今度は逆にヨーロッパ大陸の各地へ伝道に出向くということになったのです。

    そこで、カール大帝の時代に戻ると、大帝は早速イングランドのヨークからはアルクインという高僧を呼びつけ、他所からも優秀な学僧を何人か集めて教会制度や教育制度の指南役および書体を統一するための研究組織を設けたのでした。

   書き手や修道院によって様々だった書体を目にしながら頭をひねったお坊さん達が考案したのはもっとシンプルで規則正しい「カロリンヌ」という書体でした。
   そして「カロリンヌ体」は12世紀にゴシック文字へと移行するまで長きに渡ってヨーロッパで愛用されたのですから、書体改革は大成功とあいなり、ローマ字のアルファベットの基本の基になったのです。 イタリアルネサンス期に作られた活版文字も、この書体を基に考案されていて、それが現在まで息づいています。例えば a b c d e f g ←こんな活字はカロリンヌ体が基礎なのです。



聖書の写本と書体の改革

こちらは世界遺産のフランスのモンサンミッシェルの写本。ここはかつては修道院で、そこで書かれたモンサンミッシェルの写本はカロリンヌ体で書かれています。11世紀

投稿日 2012年04月20日 21:21:10
最終更新日 2012年04月20日 21:45:01
修正
ただいま準備中。しばらくお待ちください!

                         聖書の写本


                   ケルスの書  アイルランド写本 8世紀末
投稿日 2012年04月20日 10:59:53
最終更新日 2012年04月20日 10:59:53
修正
2012年03月20日
鵞毛庵には今年も蔵書票の季節がやってきました。

蔵書票ってなんぞや?という読者の方は昨年の記事をご覧ください。


蔵書票の季節     画像はクリックすると拡大します。

BOOK展 I  Book & Art 
2012年3月28日〜4月8日


11:00〜17:00  休廊 月・火

装丁・豆本・蔵書票・原画・・・本とアートの関係をお楽しみ下さい。

Gallery USHIN

4月1日(日)13:30〜はカリグラフィーの1day レッスンも予定しています。
詳細は上記ギャラリーのブログにて

  今回はイソップの寓話のフランス版であるラ・フォンテーヌの寓話を題材にした蔵書票と寓話を五話選んでカリグラフィーで書いたものを元にした豆本を中心に展示予定です。

また、昨年同様、蔵書票をお買い上げの方には、ご希望によりカリグラフィーでイニシャルやお名前をお入れします。

  動物などを擬人化して風刺や教訓を織り込んだ物語を寓話といいますが、その代表がイソップの寓話。このイソップとは英語読みで、本当はアイソポスといい、紀元前7〜6世紀頃の古代ギリシャの奴隷出身の人です。自身の創作というよりは、恐らく昔からの伝承や民話を集めたものだったのでしょう。

  ギリシャ語の原典は失われてしまっていますが、ラテン語に訳されたものから15世紀末には英語訳、ドイツ語訳、フランスは17世紀にジャン・ド・ラ・フォンテーヌによるフランス版寓話集が出版されています。

  日本で最初にイソップの寓話が紹介されたのは、16世紀末イエズス会士によってですが、江戸時代には「伊曽保物語」として仮名草子、そして明治期になって英語版から翻訳された「伊蘇普物語」がベストセラーになり、その教訓性が修身の教科書に取り入れられたことから広く親しまれてきました。子供の頃に読んだという方も多いことでしょう。

  どの国も、その気候風土に合わせてアレンジしてあるようで、日本では「アリとキリギリス」として有名な話は英語版からの和訳。

  原典では「セミとアリ」で、ラ・フォンテーヌの寓話でもキリギリスではなくセミが登場します。フランスでは南仏にしかセミは生息していないのに、なんでラ・フォンテーヌはセミのままにしたのか疑問ですが、後世になって昆虫記で有名なファーブル(南仏出身)が、この話はセミの生態を理解しておらずおかしいと批判したとか。

                 蔵書票の季節   画像はクリックすると拡大します。

La Cigale & La Fourmi (セミとアリ) Exlibris 
ラ・フォンテーヌ寓話シリーズ蔵書票 (c)La plume d'oie 2012  
        
        
5月末からは北浦和のアートプレイスKでも蔵書票展に参加予定です。
投稿日 2012年03月20日 3:22:57
最終更新日 2012年03月20日 3:28:20
修正
2012年02月20日
   まだまだ寒い日が続いていますが、ヴァレンタインデーが終わると世の中は一斉に「おひなさま」モードで、花屋さんでは桃の花を売っているのを見かけます。

   三余堂の玄関も雛飾りで華やかになっております。鵞毛庵は雛あられやかわいい雛菓子を購入して飾りつけの準備中。そして、3月1日からスタートするグループ展「桃の華」のための作品準備中でもあります。


   何人かと雑談中に、桃の花を詠んだ和歌って意外にないかも?というのが話題に。早速調べてみたところ、俳句になると結構たくさん詠まれているのですが、和歌ではやはりすごく少ないようです。

そのひとつに万葉集にある大伴家持の歌

春の苑くれなゐにほふ桃の花 下照る道に出で立つをとめ

というのがありました。

そういえば、いつだったか上巳の節句がお雛様なのだと中国人の友人に説明した時に、それならば桃の花の歌をと唐の孟棨(もうけい)が記した書物「本事詩」に出てくる崔護(さいご)の歌を教えてくれたのを思い出しました。


去年今日此門中
人面桃花相映紅
人面不知何処去
桃花依旧笑春風


去年の今日しかもこの門の中で
(あの娘の)顔と桃の花が紅く映りあっていたなあ
あの娘はどこへいったのか知らないけれど
桃の花は去年と同じように春風に笑っているよ

という意味合いです。

なんでもこの詩を詠んでこの家に置いていった後、気になって再び戻ってみると、老人が出てきて、娘はこの詩を見て悲しんで息絶えましたといい、驚いて亡骸に寄添うと、娘が生き返り、二人は末永く桃の花の下で幸せに暮らした、というお話だとか。

どちらもうら若き美しい娘と紅染むる桃の花。昔ながらの桃の花って結構濃い色合いなのです。今、よく目にするのは、品種改良されたり、花桃といわれる種類で色が薄めになっています。

鵞毛庵が住んでいたパリの中華街のプチ桃源郷の桃花(タオホワ)はそろそろ咲くかしら?今年はシベリア大寒波に襲われたようなので、まだまだでしょうか?

桃の花  パリ13区中華街の桃花

などなど思いをめぐらせながら、「桃の華」展用の作品の色合いをあれやこれや。

弥生女流展「桃の華」

ギャラリー華沙里

川崎市麻生区上麻生1-10-6-2F
最寄駅 小田急線 新百合ヶ丘 南口より徒歩5分
2012年3月1日(木)〜3月13日(火)
11:00am 〜 6:00pm (最終日5:00pmまで/水曜休)

桃の花
投稿日 2012年02月20日 2:04:39
最終更新日 2012年02月20日 2:08:36
修正
2012年01月20日
安穏なれ

                                  

 安穏なれ

(c)La plume d'oie 2012   世の中安穏なれ


阪神淡路大震災から早17年。先の大震災から10ヶ月。
今年は親鸞聖人の750回忌、大遠忌(だいおんき)。そのスローガンである「世の中安穏なれ」を昨年から多く作品にして、沢山の方々に見ていただきました。

ただ今、神楽坂のセッションハウスにて、「大きな夢・小さな絵展」に参加している鵞毛庵は、新年あらためてまた新作を展示しています。

2012年はどんな年になるのでしょうか?先ほども楽しく一杯やっていた時に 友人の携帯の緊急速報が鳴り、しばらくドキドキしたばかりです。
出来うる限り安穏であって欲しいと願うばかりです。

上記作品は、正倉院の螺鈿紫檀五絃琵琶の図柄から写した鳥と花のモチーフをあしらった作品です。

琵琶といえば平家物語。今年の大河ドラマでは 清盛の活躍はどのように描かれるのか、ちょっと興味深々。

数々の平氏の合戦にまつわるエピソードは能の曲目の題材になってます。

藤戸の合戦は清盛の死後なので大河ドラマでは描かれないでしょうが、先の三余堂月次にありますように、2月5日のラジオでの三余堂による「藤戸」、みなさま御堪能ください。
とはいっても、日曜の早朝、起きられるかいなァ… そんなァ、無理です!と知人に言われてしまった鵞毛庵ですが…

その前に、矢来能楽堂からもすぐ近くの神楽坂セッションハウスガーデンでの展覧会にも、是非お運び下さい。

鵞毛庵は22日(日)、23日(月)、26日(木)と最終日28日(土)は在廊を予定しております。


とにもかくにも、2012年、安穏なれ。
投稿日 2012年01月20日 1:58:51
最終更新日 2012年01月20日 2:25:40
修正
2011年12月20日
    もうすぐ冬至だというのに、まだまだ綺麗なイチョウの黄金色が目に入ります。あと数日でクリスマスなんですが...

   鵞毛庵は11月末からずっとあちこちのギャラリーでクリスマス展を掛け持ち。ただ今、最後の展示が北浦和のアートプレイスKで27日まで行われています。

   さて、そのクリスマス。キリストの誕生を祝った日なのですが、本当は生まれたのは12月なんかじゃないのです。キリスト誕生にまつわる記載がある新約聖書のルカやマタイの福音にも、日付はどこにも出てきません。
ではなぜ12月25日になったのか???

    それは、キリスト教以前から、ケルトやらゲルマンやら北欧やら、あちこちの民間信仰で冬至の祝いがあったからなのです。昔は冬至で一年が終り、翌日からどんどん日が長くなって春に向かうというわけで、五穀豊穣を願って神に感謝したり、一年の締めくくりとしてさまざまな風習がありました。 神様が悪い子を見つけては叱責し、良い子にはお菓子や贈物を持ってくるなどというような言い伝えもたくさんあります。なぐごはいねが〜〜〜〜のナマハゲみたい。

   そして人々は互いに感謝の念を贈物であらわしたり、困っている人に施しをしたりなどという風習もいたるところであったのでした。

    キリスト生誕(正しくは降誕)の祝いを広めるには、民間に強く根付いた風習を上手く取り入れて融合させるのがよいとのことで、12月25日に落ち着いたとされるのが、紀元4世紀頃のことです。

    今年は展覧会用のクリスマスカードやミニ作品に クリスマス柄を沢山描きました。ヒイラギは常緑なので緑は永遠の命を象徴、赤い実はキリストが流した血、ヒイラギ(西洋ヒイラギ)のとげは古くから邪気を払うともされ、(あれ?これ、節分の時の...。)、リボンは永遠の結びつき、鐘はキリスト誕生を知らせる、羊飼いのベルから音を聞き迷わず神の元に帰れる、音で邪気をはらう魔よけ、などそれぞれ意味があります。


                いやはやもうすぐ冬至

   さてさて、日本でも冬至は暦の上で節目。柚子湯にかぼちゃにうどんに、無病息災を願ってあれやこれや。そしてクリスマス、大晦日と、いろいろあった一年も余すところわずかです。

皆様 どうぞ良い年を迎えられますように。
今年も一年間、「能楽さんぽ」をご愛読ありがとうございました。 
投稿日 2011年12月20日 0:02:01
最終更新日 2011年12月20日 0:02:01
修正
2011年11月20日
   11月になると近所の八幡様に「七五三」の祈願受付が告知されますが、なんだか年々その姿を見かけない気が。やはり少子化なのでしょうか?でも、つい先日、若いお母さん達が、ドレス姿と着物姿で4,5枚撮影し、着物は自分の着たのを持ち込んで娘に着せたのだとか、いろいろおしゃべりしていたのが耳に入りました。うん、やっぱりちゃんとやってるんだ、と。

   そしてこの時期、あの、ボージョレーヌーボー。これも、以前ほど騒ぎじゃないのではと思いますが、それなりに盛り上がっているところを通りかかった鵞毛庵。試飲もできるとあって大賑わい。売るほうも買う方も、もっともらしいウンチクたっぷりで、それを聞いてるだけで下手な芸人の話より面白い!
そこに日仏カップルが通りかかって...フランス人のダンナ様、一瞥を投げかけただけで、試飲する奥様をせかしつつ、こんな若いワインなんかと試飲もせずに去って行ったのでした。鵞毛庵はさんざん試飲しただけで、やっぱり買わず。
 
   東京はなかなか気温が下がらなかったので紅葉も黄葉もいまひとつですが、繁華街はすっかりクリスマスモード。鵞毛庵も実はクリスマスモードにどっぷりです。


             毎年恒例の

ノエル展  

クリスマスをご一緒に。

11月23日〜30日
場所 神楽坂 セッションハウス・ガーデン
時間 11:00〜19:00(初日は13:00から、最終日は17:00まで)
(セッションハウスのサイトには12:00からと記載されてますが11:00からです!)
出展作家  池田亜矢子 青木明美 金魚時間 五木田摩耶 小坂井順子 さかもと直子
中谷 綾 宮岡宏会 山岸菜穂子
26日(土)、27日(日) 13:00〜17:00 出展者によるワンコインワークショップ(予約不要)

カリグラフィー、リース、キャンドル、ペーパークイリング、パーチメントクラフト、フランス額装、染色型染め、クリスマスオーナメント、ビーズジュエリーの作家たちが、クリスマスやお正月を素敵に演出する品々を揃えて、皆様のお越しをお待ちしております。

鵞毛庵はプレゼントにも最適なミニミニ額作品や豆本、カード、ハガキ、シールなど、クリスマスやお正月用品をいろいろと揃えております。
開催中、26日(土)、27日(日)は、13時〜17時の間、出展者による¥500ワンコインワークショップを企画しています。どうぞ手ぶらでご自由にご参加下さい。
カリグラフィーでは、小さなクリスマスの作品をマーカーでお試しいただけます。

この展覧会は12月1日からは南越谷のギャラリーKに巡回します。(Natale展)
また、鵞毛庵は同時に小手指のギャラリーUSHINのCraft展にも参加します。12月11日(日)はクリスマスを演出する作品の1dayレッスンを予定しています。こちらのお申込はギャラリーへ。


毎年恒例の
投稿日 2011年11月20日 3:21:36
最終更新日 2011年11月20日 3:25:19
修正
2011年10月20日
                        ようやく秋らしく...                  
               能 「紅葉狩」 ©La plume d’oie 2011


  暑さがぶり返したりしていますが、それでも季節は秋。
金木犀も終わりに近づき、日の暮れも早まってきました。紅葉はすぐそこに。そしてやがて枯葉へと。。。



ようやく秋らしく...
シャンソン「枯葉」©La plume d’oie 2011



今月28日から鵞毛庵(ラ・プリュム・ドワ)の近作展が始まります。

五木田摩耶 近作展

10月28日(金)〜11月1日(火)
14:00〜19:00 (最終日は18:00まで)


場所 カフェ&ダイニング イマーゴ ギャラリー

「能の花」シリーズや「シャンソンを描く」など近作、新作を展示いたします。
またラ・プリュム・ドワの教室作品展も行います。東京および近郊の各教室の皆さんの力作も合わせて展示いたします。どうぞお運び下さいませ。


ようやく秋らしく... ©La plume d’oie 2011

Abécédaire アルファベット集  教室受講生共同作品
投稿日 2011年10月20日 0:50:16
最終更新日 2011年10月20日 0:50:16
修正
2011年09月20日
   三余堂が新聞小説のことを書いていますが、新聞小説といえばなんたって19世紀フランス。1836年に新聞の購読者数を延ばすための策として連載小説を掲載することにしたのがきっかけだったのですが、日本でもよく知られているフランス文学の代表作であるアレクサンドル・デュマの「三銃士」や「岩窟王(モンテクリスト伯)」とか、バルザックの小説も新聞の連載小説でした。新聞の連載小説というジャンルが大衆化しているのはどうやら19世紀のフランスと日本が主だとか。

   鵞毛庵が日本に戻ってすぐに、NHKで「三銃士」の人形劇が始まり、毎週、なんとなくワクワクして見ていたのは、まるで連載小説の続きが待ち遠しい気持ちそのもの。そして、その人形劇につられて原書も読み返してみました。よく映像化される「三銃士」や「鉄仮面」の物語は実は長い長い三部作の小説のほんの一部にしか過ぎず、新聞に何年にも渡って連載されていたのですから、ポケットサイズの本でも分厚い! 従って完全読破には至らず... 

   などとグズグズしていたら、10月末からまたもや「三銃士」の新しいハリウッドの映画が公開されるではありませんか。


   ダルタニアンと三銃士を取り巻く陰謀やら策略やら、物語はじゅうぶん知っているけれど、またちょっとワクワクしている鵞毛庵です。


                     連載小説

物語は17世紀フランス。当時使われていたように羽ペンを削り、その頃に最も美しいとヨーロッパ諸国で賞賛されていたフランスのロンド(Ronde)という書体で Trois Mousequetaires(三銃士)と書いてみる。

が、なぜか今宵、久しぶりに手にしているのは「鬼平犯科帳」。こちらは「オール読物」という雑誌に掲載されていた小説です。
投稿日 2011年09月19日 23:59:57
最終更新日 2011年09月19日 23:59:57
修正
2011年08月20日
                     世の中安穏なれ


29日からグループ展に参加します。

29日から銀座のあかね画廊にて。
中央区銀座4-3-14 筑波ビル2F  (並木通りです)

今回のテーマは親鸞聖人の「世の中安穏なれ」

''Peace and tranquillity prevail throughout the world''

''Que la paix et la tranquillité prédominent partout dans le monde''


その他、蔵書票展に出品した作品や、巴里際の作品も合わせて展示します。

小さい作品を沢山だしますので、是非お出かけください!

ただ今、制作奮闘中につき、とりあえずお知らせまで。

また、後ほど詳細等更新します


世の中安穏なれ

鵞毛庵は29,30,31日と最終日の9月4日に在廊しています。
投稿日 2011年08月29日 9:34:25
最終更新日 2011年08月29日 9:37:04
修正
2011年07月20日
   先の三余堂月次で夏の涼に触れていますが、日本の夏の風物詩といえば「花火」。川開きで納涼を兼ねての具合から、花火大会といえば夏なのです。しかし西洋では必ずしも夏のものではありません。ヨーロッパは特に夏はなかなか暗くならないので、夜の11時ぐらいにならないと始められません。

   それでもフランスでは7月14日のフランス革命を記念した「国民の祝日」では全国で花火が欠かせません。
この日を日本では「パリ祭」と呼んでいます。

なぜそう呼ぶかというと...今ではネットで検索すればいっぱい出てきますが、庵主は高校生の時に、フランス語の勉強で通っていたアテネフランセのカフェテリアで、某大学の仏文の先生にそのわけを伺ったのでした。

    1932年のルネ・クレール監督のフランス映画「Quatorze Juillet」(原題:7月14日)が翌年の1933年(昭和8年)に日本で公開されたのですが、その時の邦題が「巴里祭」だったからです。だって日本でいきなり7月14日なんて言われても、誰もなんのことか判らないし、「革命」という言葉は避けたかったし、などなどから、輸入配給元であった東和の川喜多氏等によって「巴里祭」になり、そして映画も主題歌も日本で大ヒットしたそうな。


                  巴里祭

        巴里祭 La plume d’oie ©鵞毛庵 2011 
        映画「巴里祭」の主題歌  
*現在、甲府市内のレストラン「バールスロー」でシャンソンシリーズ「巴里祭に寄せて」を展示中。こちら


    さて、その巴里祭の花火。パリでは毎年7月14日の夜、エッフェル塔あたりで開催されます。今年はエッフェル塔のセーヌを挟んで向かい側にあるシャイヨ宮で行われました。シャイヨ宮は第一回万博会場だったところです。その花火大会の全容がパリ市の正式なビデオで見られますので、ご堪能ください。
35分間の花火のスペクタクル
    
今年のテーマは「ブロードウェイからパリへ」と題して、アメリカとフランスのミュージカルの名曲の数々をBGMにたくさんの花火が打ち上げられています。今年はずいぶんお金かけてるな〜〜。50万人以上の人出だったとか。

    日本では震災以来、ちょっと自粛ムードで花火大会は....と言われてましたが、隅田川の花火を始め、全国で行われるようです。


巴里祭

巴里祭  Paris-Amour  La plume d’oie ©鵞毛庵 2011

♪パリの街角では なにもかもが恋に染まる
投稿日 2011年07月20日 0:14:43
最終更新日 2011年07月20日 0:26:05
修正
2011年06月21日
今年も鵞毛庵の近所にあるアカンサスの花が咲いてます。
昨年の猛暑ではすっかり枯れて、へろへろになってちょっと心配した庵主ですが、冬の間に再生して、いつの間にか葉っぱは青々繁りました。
そしてただいま開花中。


あじさい




何度かこのブログでも記事にしていますが、ヨーロッパの中世の写本には装飾としていろいろな形や色にデザイン化されて頻繁に登場します。
アカンサスというのは、ギリシャ語の「とげ」が語源で、地中海沿岸が原産。ギリシャの国花。はっぱのぎざぎざから、別名、葉アザミというそうな。

このアカンサスの花が咲く時期は、ちょうど紫陽花の時期。今、あちこちでたくさん咲いているのを見て、写本の装飾にはいろんな花が登場するけれど、はて、紫陽花は見たこと無いな...と。フランスにも紫陽花はたくさん咲いているのに、昔はなかった?


                           あじさい
           
                           パリに咲いてた紫陽花

ということはアジアが原産? そうです、日本が原産でした。フランスにはフィリベール・コメルソンPhilibert Commerson という植物学者によってモーリシャス島から18世紀末にもたらされたとか。ですから、中世の写本の装飾に描かれるはずがありません。

あじさい


中世写本には存在しなかったけれど、1901年刊行されたセギーの「花とその図案化」には登場する紫陽花。

投稿日 2011年06月21日 2:54:22
最終更新日 2011年06月21日 9:54:34
修正
2011年06月20日
ただいま準備中につき、しばしお待ちください。
                      no subject

                能 自然居士  2011(c)La plume d'oie 鵞毛案
投稿日 2011年06月21日 0:41:42
最終更新日 2011年06月21日 0:41:42
修正
2011年05月20日
  今月の案内望遠鏡に登場する、紙も筆もない時代の堅いものを引っ掻いた文字。ラテン語のアルファベットもそうでした。

「ABC」のような大文字書体をローマンキャピタルと呼びますが、これは引っ掻くのではなく、石に刻んだ文字。いくら今と違って読み書きが一般的なことではなかったとしても、これでは走り書きや簡単なメモというわけには......。したがってローマ時代にも、工夫されてもう少し書き易い書体がいくつかあります。

蝋板に金属の棒や葦のペンなどで引っ掻いて書いた書体や 壁に平筆状のもので書かれたもの、パピルスに葦のペンで書かれた走り書きのような草書体などいろいろあります。蝋板は蝋を溶かして平らに直せばあらたに何か書くことができます。
   

          
   ラテン語の古い書体

                      CODEXコデックスという本の起源のような、
                      蝋板を何枚かつなぎ合わせたもの。
                      皇帝ネロの時代(紀元37〜68)



    
                        ラテン語の古い書体
  
こちらはリュスティカRUSTICAと呼ばれる書体で、ポンペイの遺跡の壁に書かれたもの。現代のポスターの役目を果たしていたのでしょう。これも不要になったら上から塗りつぶして、書き直すことができます。

                     
  ラテン語の古い書体   (c)La plume d'oie           


「文字は言葉に時空を超えさせる」という、あるフランスの学者の言葉を作品にしようと思った時に、何か古い書体で書こうと思って選んだのがリュスティカ。
そしてバックには中国の青銅器にあった篆書をあしらっています。
リュスティカはローマンキャピタル同様、紀元前1世紀ごろから使われ始め、最盛期は4〜6世紀。
漢字の方がずんと古い!楷書は5世紀には完成しているんだ〜〜〜ッ。





投稿日 2011年05月20日 1:34:51
最終更新日 2011年05月20日 1:34:51
修正
2011年04月20日
北浦和のアートプレイスKにての蔵書票展は無事終了いたしました。

お運び下さった皆様、どうもありがとうございました。お求め頂いた蔵書票にお名前を入れるのは、おかげさまで好評でした。

今回の展覧会で「蔵書票」がどういうものなのか初めて知りました、という声をたくさん耳にしました。

書物もだんだんとデジタル化してゆく傾向ですが、きっと手元に大切な一冊、大好きな一冊があるはず。そんな本に名前を書いて是非蔵書票を貼ってみてください。


大切な本、大好きな本に

パリでずっと持っていた「天才バカボン」にも貼っています!

そして、

今月27日(水)から5月8日(日)まで、Book&...でも蔵書票をカリグラフィー作品の豆本などと共に展示・販売したします。お求め頂いた蔵書票にはカリグラフィーでイニシャルやお名前をお入れします。
Book&... 蔵書票・原画・Book Cover 栞。本が楽しくなる展覧会


ギャラリーUSHIN
4月27日〜5月8日  11:00〜17:00  (4月29日5月1日2日 休)

大切な本、大好きな本に

鵞毛庵は4月30日、5月8日は午後13時から在廊予定。また、5月3~5日のいずれか1日は在廊予定です。

※5月3日13時頃から在廊します!
投稿日 2011年04月21日 2:43:23
最終更新日 2011年05月01日 1:57:41
修正
ただいま編集中。


                     花筏

                   東京の石神井川にて 
投稿日 2011年04月21日 1:16:55
最終更新日 2011年04月21日 2:44:59
修正
2011年03月20日
蔵書票ってなんぞや?

   蔵書票とは、本の見返しに貼ってその本の所有者の名前を記す小さな紙片です。ヨーロッパではグーテンベルグの活版印刷の発明により、印刷された本が多く出回るようになったと同時期の15世紀半ば過ぎにドイツで蔵書票が誕生します。日本では中国の影響を受けて蔵書印が奈良時代にもたらされたとか。

    蔵書票は国際的にEXLIBRIS エクスリブリスといい、「〜の蔵書から」という意味のラテン語で蔵書票に必ず記載されます。そのほかに蔵書の持ち主の名前やゆかりの図柄、紋章、好きなものや格言などがほどこされています。当初は木版画が主流だったようですが、16世紀になると著名な芸術家達が手がけるようになって版画の技法もさまざまになり、ヨーロッパにどんどん広まっていきました。

日本では蔵書印が奈良時代にと前述しましたが、蔵書票は明治になってから紹介されて知られるようになりました。

    本来はその名の通り蔵書に貼るものですが、著名な芸術家のデザインによるものも多く、蔵書票自体が美術品としてコレクションされたり、蔵書票コレクターの間では交換による交流も盛んになっています。

    現在では版画に限らずあらゆる技法が用いられていて、鵞毛庵はカリグラフィーで蔵書票に挑戦。昨年夏に「PARADA書店」という本をテーマにした企画展に参加して蔵書票を出品しましたが、来る4月8日からは北浦和のアートプレイスKで開催されるEXLIBRIS展に参加することになりました。


                    蔵書票



読書にまつわるフランス語のテキストを織り込んだカリグラフィー作品や今年の干支にちなんだウサギが描かれているEXLIBRISなど原画と蔵書票とを展示、販売いたします。
また、鵞毛庵在廊日には、お買い上げ頂く蔵書票にはお名前やイニシャルなど直筆でお入れできる予定です。在廊日はまだ未定。決まり次第こちらでお知らせいたします!



<画廊企画>第一回EXLIBRIS展

書票協会所蔵の作品も展示されます。

2011年4月8日(金)〜4月17日(日)
11:00〜18:00 (最終日17:00まで)13(水)、14(木) 休廊
アートプレイスK
〒330-0074
さいたま市浦和区北浦和1-14-11 越谷ビル2F
投稿日 2011年03月20日 0:04:21
最終更新日 2011年03月20日 0:04:21
修正
2011年02月19日
  先日は東京もいきなりの雪に見舞われ、一瞬にして辺り一面白妙の景色となりました。

                     ガリガリ

               ©2010 La plume d’oie 鵞毛庵  能「葛城」


  雪はさておき、題のガリガリ。昨年夏には大人気で売り切れ続出だったアレではありません!

鉄筆でガリガリと蝋引きされた謄写版の原紙を切る音です。故にガリ版という名を賜っていたわけで、なんとも懐かしいものに小津和紙で再会。
最近、和紙の博物館以外に公開を始めた特別展示室を、小津文化教室のカリグラフィーの講習会の折に見学しました。

今はもう作り手が絶えてしまった和紙などが展示されています。
その中で、おおおッ、これは!!と思わず声が出てしまったのが謄写版原紙。ロウ紙と呼ばれる薄葉紙は和紙だったと再発見。その薄葉紙にパラフィンなど塗ったものが謄写版の原紙です。

ガリガリ


原紙をやすりの板の上に乗せて鉄筆で文字を書くと、原紙を傷つけてロウ状の塗料が削れ その部分に細かな孔が開き透かしのようになります。そして木枠に網をかけたものの下に原紙を置き、ローラーでインクを押し付けると一番下に置いた紙に印刷ができるという仕組み。
電気が要らず、原紙とインクさえあれば印刷できるという手軽さから、日本では学校での印刷物のほか、同人誌、チラシなどいろいろなものに随分と活用されました。

鵞毛庵も中高生の頃、部活の資料づくりなどで鉄筆を手によくガリを切りました。思い起こせば、あの頃の授業で配られる資料や試験の問題用紙などすべてわら半紙にガリ版。

日本でガリ版が大いに普及した理由のひとつに、文字の数。アルファベットに比べて、漢字、ひらがな、カタカナと、今風に言うと「半端ない」。ああ、言っちゃった!この言葉もいずれの日にか辞書に載るのだろうか?

欧米のように活版印刷となると手間ひまかかり、費用もかかり、というわけで、お隣の中国でも同様にガリ版印刷が多く使われていたようです。

自分でガリガリやったものは手元に一つも残っておらず、それでも何かないかなと探して出てきた高校生の時の調理実習の資料。当時、世に出回り始めた電子レンジを使っての調理について書いてありました。なんでそんなものが、というのはさて置き、そこに書いてあったのは、

エレックする

これを思い出された方が読者の中にもいらっしゃるでしょうか?
ここにも先回の三余堂の記事にある「話し言葉の日本史」を垣間見たような...
投稿日 2011年02月20日 0:02:00
最終更新日 2011年02月20日 0:02:00
修正
2011年01月20日
  昨年12月の鵞毛庵の記事でお知らせしましたが、東京の神楽坂のセッションハウスガーデンで開催される「大きな夢 小さな絵」展に鵞毛庵が参加します。大勢の作家が参加する小さなサイズの作品のグループ展。8〜10点展示します。サイズの指定以外は自由ですので、鵞毛庵はテーマに今年の御題の「葉」を選びました。御題というのは、宮中の歌会始(毎年宮中で行われるその年最初の歌会)のテーマで、毎年宮内庁で選ばれています。

葉っぱ、葉っぱ、と思いをめぐらし、ふと頭をよぎったのが

青いは葉っぱ、葉っぱは揺れる

♪いろはに金平糖、金平糖は甘い♪です。
が、これ、時代や場所でいろいろなバージョンがあるようで、鵞毛庵の知っているバージョンは 「カエルは青い」から続き、「揺れるは幽霊」に繋がっていきます。終わりは必ず「光るはおやじの。。。。」。

というのは、余談なり。

  さて、今回の小さな作品には、「葉」にまつわる諺など、いくつか選んでみました。


葉っぱは揺れる La plume d’oie 2011© 鵞毛庵  Vin, bois de deux, de trois feuilles

フランス的と選んだのが  ワインの木は2年、葉は3年... ワイン用のブドウの木は2年で再生、葉は3年で再生するという意味。 木のパネルに直接描いてみました。ローマ時代の古い書体をアレンジしてデザインしてあります。次の作品も同様のアレンジ。

  La plume d’oie 2011© 鵞毛庵                 葉っぱは揺れる     
              
 Avec le temps et la patience, la feuille du mûrier devient de la soie.
  時間と忍耐があれば桑の葉は絹になる


墨で筆書きの書体はオリジナルのアレンジです。

先回の三余堂月次に掲載した作品も同じ内容の文面。
小学生の時に教室で大事に育てた蚕を繭玉にし、細い絹糸を取った経験のある鵞毛庵ですが、この諺は広く中国からペルシャまで似たようなものがたくさんあり、まさにシルクロードです。
           


葉っぱは揺れる  La plume d’oie 2011© 鵞毛庵
                   
                   N’aille au bois qui a peur des feuilles    葉を恐れるなら森に行くべからず

こちらは4cm角ほどの小さな作品。和紙をコラージュ(貼って装飾)してボリュームを出しました。
ちょっとでも疑わしいと思ったら近づくなという意味。さしずめ、揺れる葉っぱが幽霊に見える?


大きな夢 小さな絵 展  於 神楽坂セッションハウスガーデン
1/21(金)〜1/30(日) 12:00〜19:00  最終日 17:00まで
新宿区矢来町158 セッションハウス2F TEL 03-3266-0461 FAX 03-3266-0772 
21日17時よりオープニングパーティー
投稿日 2011年01月20日 1:20:19
最終更新日 2011年01月20日 10:05:52
修正
2010年12月20日
  山茶花の咲いた垣根(いや、単なる塀ですな)を見ると、あの有名な「たきび」の童謡を思い出しますが、昨今、日本では落葉をかき集めての焚き火は環境問題やらなんたらで見かけなくなって、パチパチっと音がしたり、煙たい匂いがしたりしない。お芋を埋め込んでいるらしいと、どっかから良い匂いがしたんだけど... おててがしもやけなんて子も見かけないしなァ。

  フランスでもパリのような都会では焚き火は見かけないけれど、暖炉がまだ使えるアパートは結構多いので、煙突から煙が出ていると時折煙の匂いがします。冬の匂い。



              焚き火
La plume d’oie(c) 鵞毛庵 2010  能 鉢木 より

「鉢木」についてはすでに三余堂の記事がありますのでこちらをご覧ください。  

東京はやっと12月らしく寒くなってきました。
例年よりも暖かなので、もうすぐ冬至だなんてちょっと信じがたい感じもしますが、世の中はすっかりクリスマスだし。年の瀬も押し迫って来ました。

そこでひとつお知らせです。


鵞毛庵は年明け1月にいろいろなアーティストのグループ展に参加します。二ヶ所ですが出品作品は同じものです。

ちいさな絵 matsuri   於 ギャラリーK
1/9(日)〜1/18(火) /12(水)休廊 11:00〜18:00 初日12:00より、最終日16:00まで)
越谷市瓦曽根3-7-7 小柳ビル3F TEL&FAX 048-947-9135
オープニングパーティー9日16時より

大きな夢 小さな絵 展  於 神楽坂セッションハウスガーデン
1/21(金)〜1/30(日) 12:00〜19:00  最終日 17:00まで
新宿区矢来町158 セッションハウス2F TEL 03-3266-0461 FAX 03-3266-0772 
21日オープニングパーティー

見て楽しむカリグラフィーの小さな小さな作品を10点ばかり出品予定です。
鵞毛庵はどちらも初日には在廊しております。

今年も一年、「能楽さんぽ」のご愛読、どうもありがとうございました。
みなさま、良いお年をお迎えください!


焚き火 東京のホテルに飾られたクリスマスツリー  
投稿日 2010年12月19日 23:59:50
最終更新日 2010年12月19日 23:59:50
修正
2010年11月20日
  今年は18日が第3木曜日。ボジョレー・ヌーヴォー解禁日です。相変わらず日本では人気があるのか、もう定番になりきってしまったのか。時差の具合でどこよりも早く飲めるというのが、みんなの気を引いてるのか。。。。

  以前はパリでも結構賑わってました。カフェやレストランには必ず賑々しく用意されていたのだけど、最近はさっぱり。レストランは仕入れてもお客さんは注文しなくなってしまったようです。 ある年には、友人が近所の酒屋さんで買えるだけ違う種類のを集めて飲み比べなんていうのもやりました。が、これもやはりこの日だけの御しるしといった感じ。


                   11月の第3木曜日  
                   ずらっと並びました。2008年Paris

新酒というだけでなんでこんなに騒ぐのやら。

  今年は価格を抑えるためにペットボトル入りまで登場。しかし、やはりフランスではこれは承認されないらしい。一応ボジョレーという銘柄なんですから、容器が透明のプラスチックってな訳にはいきません。価格抑えるって、フランスではどっちみち、ボジョレー・ヌーヴォーは安いワインなんです。¥500でおつりが来るくらいなんですから。それが飛行機に乗って日本までやってくるので、どうしてもお高くなってしまうのです。

飲んでしまえばあっという間におしまい。
酌めども尽きぬ、というわけにはいきませんね〜。


11月の第3木曜日  能 「猩々」 La plume d'oie (c)鵞毛庵 2009
投稿日 2010年11月20日 2:58:20
最終更新日 2010年11月20日 3:01:33
修正