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2007年08月12日
空蝉の
カテゴリ : [三余堂月次]
暦の上では 立秋を迎えた。 今の暑さは 残暑ということになる。
今年から 摂氏35度以上の気温になると 猛暑日と呼ぶことになったそうである が、
これが よろしくない。
せっかく 見目麗しく 涼やかな 女性気象予報士を配しての 天気予報。
立秋を過ぎたとたんに 毎日猛暑日、猛暑日で 暑苦しい響きがテレビから聞こえる。

当然 生物の活動は緩慢になる。 番犬代わりの近所の犬は 昼間はだらっーと横たわり
虫たちも 暑い最中は木陰に潜んでいる。 メダカも水草の下に避難している。
今日の用事は 早朝にさっさとすませて ……

それが高じて 最近のセミときたら 専ら 夜中に鳴きやがる  うるせぇ!うるせぇ!




早朝 蜜柑の葉をせっせと食い
音もなく静かに早く揚羽の蝶にならん!
空蝉の


蝶類とは異なり 地下で長く、地上に出ては 短期間で死ぬ蝉。
それは その抜け殻を残すことも相俟って 日本では感動と無常観を表してきた。
  ただし 日本では。
現人と書いて うつせみと読むが このウツシオミの当て字に空蝉となったりして 
蝉は古来より 情緒たっぷりのことばを生む。
蝉の衣 《せみのきぬ》 蝉の羽 《せみのは》 等、等。
透けて薄く すずしさを呼ぶ言い表しだし、儚さである。
しかし乍 哀れを感じるには 適度な温度と湿度が重要で、この陽気では如何ばかり
 ってんだ!

源氏供養に 空蝉の空しきこの世を厭ひては という文句がある。
少し丁寧にいうと 
能 源氏供養のクセという謡の部分に 空蝉の空しきこの世厭ひてはという詩章がある。




                     空蝉の                     空蝉の 空しき この世を 厭ひては
         万葉仮名で何がなにやら と。  2007.阿香作品集より  禁転載


この源氏供養については 8月の案内望遠鏡で触れたが、 母上殿の作品に空蝉の人形がある。
一枚の着物を残し去った女人を 光の君が蝉の抜け殻に託して歌を詠んだことから 
この名が付いた。 源氏物語第3帖 空蝉 。

空しさを感じるような セミの聲は三余堂から もう聞けないのだろうか。
うるせェみの あつきこのよを いといては ……



貝遊びする空蝉
2007.阿香作品から 

              空蝉の



ご案内

8月21日〜25日 
五木田摩耶カリグラフィー展 能の花vol.3
〒103−0023
東京都中央区日本橋本町3-6-2
小津本館ビル1階
電話 03-3662-1184
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投稿日 2007年08月13日 23:25:02
最終更新日 2007年08月13日 23:25:57
修正